“死んでいるか、生きているか”という話が日常の延長に…岡崎紗絵が塙山キャバレーに感じた「ドラマを超えた人間の密接な絡み合い」
●いろんな人生を背負っている客が救われる
俳優の岡崎紗絵が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、5日・12日の2週にわたって放送される「酒と涙と女たちの歌4〜塙山キャバレー 存続の危機〜」。茨城県日立市にある小さな飲み屋街「塙山キャバレー」の存続危機と、そこに集うママたち、客たちの人生を追った作品だ。
塙山キャバレーに集う人々の言葉や本音に心を動かされたという岡崎。そこには、酒を飲むだけではない、人と人が支え合う場所としての温かさがあった――。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した岡崎紗絵
○真偽不明の立ち退き話が浮上
茨城県日立市の国道沿いに、まるで終戦直後にタイムスリップしたような佇まいの不思議な一角がある。12軒の小さな店が並ぶ「塙山キャバレー」は、人生の酸いも甘いも知り尽くしたワケありママたちが店を守り、夜な夜な常連客が集う。この場所は、酒を飲むだけではない。人と人が触れ合い、支え合う、かけがえのない居場所になっている。
2025年、そんな塙山キャバレーに不穏な噂が広がり始めた。新しく店を開いた2店の契約期間が「2028年3月まで」だったことから「他の店も28年3月末で、立ち退きを求められるのではないか」という真偽不明の話が飛び交うようになったのだ。
「もう店を閉めようと思う」「私はここで死ぬまでやる」…ママたちの心も揺れ始める。塙山キャバレーを失うことは、ママたちにとって人生を失うこと。この場所を心のよりどころにしてきた客にとっても、大切な居場所を失うことだった。
そんな危機に対し、ママたちはコロナ禍以来6年ぶりとなる秋の屋台祭りの開催を決意する。塙山キャバレーの“存在価値”を世の中に示すために、ママたちは一つになって闘い始めた…。

祭りの準備を始めるママたち
○金言が続々「言葉の力がすごい」
様々な人生経験を積んだ登場人物たちの中で、岡崎が特に印象に残った人物として挙げたのが、2022年に亡くなった常連客・のぼるちゃんを元気づけていた高野さん。のぼるちゃんは、かつて塙山キャバレーでラーメン店を営んでいたが、火事を起こして隣4軒が延焼。その後は脳梗塞の後遺症もあって生活保護を受け、自宅アパート周辺の草むしりと、店で1杯のビールを楽しむ日々を送っていた。
12日放送の後編では、そんな彼を高野さんが花見に連れ出した回想シーンが登場。岡崎は「“人生何やってもいいの”とか“今日もいい一日にしちまえよ”とか、グッとくる言葉の力がすごいですよね」と、改めて驚かされた。
このように、塙山キャバレーの物語では前・後編を通して、何気ない一言で心を軽くしてくれる場面がたびたび登場する。「ママもそうですけど、やっぱりそれで背中を押されますよね。いろんな人生を背負っているお客さんが、救われるんだろうなと思います」と受け止めた。
●ガツンと背中を押してくれた母
番組では、店のママたちがここぞという時にガツンと背中を押す姿も見られる。岡崎にとって、そうした存在は母親だという。
仕事で思うようにいかず、前を向こうとしてもなかなか向けず、過去のことばかり考えてしまっていた時期があった。考えが巡り続け、止まらなくなっていた岡崎に、母は「立ち止まっててもしょうがないから」「みんなそうだから」と強く言葉をかけてくれた。
「言われた時は反発心があったんです。“なんで今そんなこと言うの?”、“今それ言われたくないんだけど”という気持ちがあったのですが、その反発心で前を向けたような気がします。寄り添ってもらえるのもいいけど、もしかしたら一緒に落ちちゃっていたかもしれない。強く言われるからこそ、同じ場所で足踏みしてたのを強制的に動かされるという感じ。それが、後々考えたらありがたかったなと思います」
○「本当に支え合いの上で成り立ってる場所」
後編では、父との関係にわだかまりを抱えた女性も登場。長く口をきかなかった父と向き合おうとする姿に、岡崎は「きっとどんな方でも身近に感じる経験なんじゃないかなと思いました」と、自身の感覚も重ねた。
彼女が以前の関係を取り戻そうと選んだ舞台が、塙山キャバレーだったことに、「ちょっとくだけて、ほかのお客さんも混じり合ってワイワイとしゃべるような雰囲気。ああいう場所が逆に良かったんじゃないかと思います」と意味を感じた。
今回のドキュメンタリーから改めて感じたというのは、塙山キャバレーがただの飲み屋街ではないということ。「その人の核というか、隠されていた本音みたいなものがあらわになる場所ですよね」と、不思議なパワーを見つめた。
俳優としてドラマや映画に出演してきた岡崎にとって、塙山キャバレーの人々の歩みには、“作り物”ではたどり着けない密度を感じている。
「本当に人生の厚みがまた全然違って、十人十色で、一人として同じ人生を歩むことはないんですよね」
常連客の姿が見えなくなれば、心配したママが自宅まで向かうことも。“死んでいるか、生きているか”という話が、日常の延長にあり、「本当に支え合いの上で成り立ってる場所なんだなって思います。ドラマを超えた人間の密接な絡み合いですよね」と表現した。

盛況の「塙山キャバレー」の飲み屋
●岡崎紗絵1995年11月2日生まれ、愛知県出身。モデルとして 2012年『ミスセブンティーン』でグランプリを獲得しデビュー。ファッション誌『Ray』の専属モデルを約9年間務めた。俳優としては、ドラマ『教場II』『花嫁未満エスケープ』『GTO リバイバル』『あのクズを殴ってやりたいんだ』『なんで私が神説教』など話題作に出演。映画では『mellow』『ブラック・ショーマン』など数々の作品に出演した。7月11日から『告白-25年目の秘密-』、10月からは『kiDnap GAME』と、連続ドラマの出演が続く。
俳優の岡崎紗絵が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、5日・12日の2週にわたって放送される「酒と涙と女たちの歌4〜塙山キャバレー 存続の危機〜」。茨城県日立市にある小さな飲み屋街「塙山キャバレー」の存続危機と、そこに集うママたち、客たちの人生を追った作品だ。

○真偽不明の立ち退き話が浮上
茨城県日立市の国道沿いに、まるで終戦直後にタイムスリップしたような佇まいの不思議な一角がある。12軒の小さな店が並ぶ「塙山キャバレー」は、人生の酸いも甘いも知り尽くしたワケありママたちが店を守り、夜な夜な常連客が集う。この場所は、酒を飲むだけではない。人と人が触れ合い、支え合う、かけがえのない居場所になっている。
2025年、そんな塙山キャバレーに不穏な噂が広がり始めた。新しく店を開いた2店の契約期間が「2028年3月まで」だったことから「他の店も28年3月末で、立ち退きを求められるのではないか」という真偽不明の話が飛び交うようになったのだ。
「もう店を閉めようと思う」「私はここで死ぬまでやる」…ママたちの心も揺れ始める。塙山キャバレーを失うことは、ママたちにとって人生を失うこと。この場所を心のよりどころにしてきた客にとっても、大切な居場所を失うことだった。
そんな危機に対し、ママたちはコロナ禍以来6年ぶりとなる秋の屋台祭りの開催を決意する。塙山キャバレーの“存在価値”を世の中に示すために、ママたちは一つになって闘い始めた…。

○金言が続々「言葉の力がすごい」
様々な人生経験を積んだ登場人物たちの中で、岡崎が特に印象に残った人物として挙げたのが、2022年に亡くなった常連客・のぼるちゃんを元気づけていた高野さん。のぼるちゃんは、かつて塙山キャバレーでラーメン店を営んでいたが、火事を起こして隣4軒が延焼。その後は脳梗塞の後遺症もあって生活保護を受け、自宅アパート周辺の草むしりと、店で1杯のビールを楽しむ日々を送っていた。
12日放送の後編では、そんな彼を高野さんが花見に連れ出した回想シーンが登場。岡崎は「“人生何やってもいいの”とか“今日もいい一日にしちまえよ”とか、グッとくる言葉の力がすごいですよね」と、改めて驚かされた。
このように、塙山キャバレーの物語では前・後編を通して、何気ない一言で心を軽くしてくれる場面がたびたび登場する。「ママもそうですけど、やっぱりそれで背中を押されますよね。いろんな人生を背負っているお客さんが、救われるんだろうなと思います」と受け止めた。
●ガツンと背中を押してくれた母
番組では、店のママたちがここぞという時にガツンと背中を押す姿も見られる。岡崎にとって、そうした存在は母親だという。
仕事で思うようにいかず、前を向こうとしてもなかなか向けず、過去のことばかり考えてしまっていた時期があった。考えが巡り続け、止まらなくなっていた岡崎に、母は「立ち止まっててもしょうがないから」「みんなそうだから」と強く言葉をかけてくれた。
「言われた時は反発心があったんです。“なんで今そんなこと言うの?”、“今それ言われたくないんだけど”という気持ちがあったのですが、その反発心で前を向けたような気がします。寄り添ってもらえるのもいいけど、もしかしたら一緒に落ちちゃっていたかもしれない。強く言われるからこそ、同じ場所で足踏みしてたのを強制的に動かされるという感じ。それが、後々考えたらありがたかったなと思います」
○「本当に支え合いの上で成り立ってる場所」
後編では、父との関係にわだかまりを抱えた女性も登場。長く口をきかなかった父と向き合おうとする姿に、岡崎は「きっとどんな方でも身近に感じる経験なんじゃないかなと思いました」と、自身の感覚も重ねた。
彼女が以前の関係を取り戻そうと選んだ舞台が、塙山キャバレーだったことに、「ちょっとくだけて、ほかのお客さんも混じり合ってワイワイとしゃべるような雰囲気。ああいう場所が逆に良かったんじゃないかと思います」と意味を感じた。
今回のドキュメンタリーから改めて感じたというのは、塙山キャバレーがただの飲み屋街ではないということ。「その人の核というか、隠されていた本音みたいなものがあらわになる場所ですよね」と、不思議なパワーを見つめた。
俳優としてドラマや映画に出演してきた岡崎にとって、塙山キャバレーの人々の歩みには、“作り物”ではたどり着けない密度を感じている。
「本当に人生の厚みがまた全然違って、十人十色で、一人として同じ人生を歩むことはないんですよね」
常連客の姿が見えなくなれば、心配したママが自宅まで向かうことも。“死んでいるか、生きているか”という話が、日常の延長にあり、「本当に支え合いの上で成り立ってる場所なんだなって思います。ドラマを超えた人間の密接な絡み合いですよね」と表現した。

●岡崎紗絵1995年11月2日生まれ、愛知県出身。モデルとして 2012年『ミスセブンティーン』でグランプリを獲得しデビュー。ファッション誌『Ray』の専属モデルを約9年間務めた。俳優としては、ドラマ『教場II』『花嫁未満エスケープ』『GTO リバイバル』『あのクズを殴ってやりたいんだ』『なんで私が神説教』など話題作に出演。映画では『mellow』『ブラック・ショーマン』など数々の作品に出演した。7月11日から『告白-25年目の秘密-』、10月からは『kiDnap GAME』と、連続ドラマの出演が続く。
