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 ◇パ・リーグ 日本ハム9―2オリックス(2026年6月30日 エスコンF)

 努力は一生、本番は一回、チャンスは一瞬――。日本ハム・新庄監督の座右の銘であり、現役時代から大切にしてきた格言だ。人生を変えるチャンスはほんの一瞬しかなく、その本番で力を発揮するため努力を続けなさいという意味。その言葉を体現するかのように、6月16日に1軍再昇格した吉田の快音が止まらない。

 「本当に完璧な一発。自分でもびっくりするぐらい本塁打が出ているので、交通事故には気をつけます」

 3―2で迎えた3回1死。ジェリーのチェンジアップを完璧に捉え右翼ブルペンへ5号ソロを放った。自身初の2打席連発を放った6月26日の西武戦から驚異の4戦4発。再昇格後の直近8試合で5本塁打して、キャリアハイを更新した。初回には先制の中前適時打を放つなど2安打2打点に「出来すぎだが、逆にこれぐらい打たないと出られない」と冷静に語った。

 あの日の「20分」が吉田を変えた。ソフトバンクに開幕3連敗した夜、新庄監督にDMを送った。「少しお話しする時間を頂けませんか?」。2日後に本拠地での練習で約20分間、2人だけで話し合った。「第3捕手なのか、捕手ができる野手なのか自分の役割をはっきり聞いておきたかった」と吉田。新庄監督の「まずは打撃」の言葉に迷いは消えた。

 開幕直後は限られた出場機会で一度は抹消されるも、指揮官の助言通り打撃を磨き直した。「ファームでもう一度自分を見つめ直した2カ月間が生きている」。チームは3連勝で首位ソフトバンクとは2ゲーム差。一瞬のチャンスをつかんだ吉田が、逆襲の先頭を走る。(清藤 駿太)