会見を行った林家正蔵(撮影・水野佑紀)

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 落語協会の新会長に就任した落語家・林家正蔵が30日、東京・丸の内の東京會舘で会見を開催。「こぶ平」時代を振り返った。

 正蔵は、高校入学の78年4月、父・三平に入門して「こぶ平」に。愛嬌(あいきょう)のある人柄でバラエティー番組で人気を集めた。声優としても活躍。テレビアニメ「タッチ」(85年)、「美味しんぼ」(90年)、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(98年)、映画「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年、高畑勲監督)、NHK教育「ハッチポッチステーション」(95〜2005年)など、人気作に出演し、圧倒的な知名度の高さを誇る。

 報道陣から、こぶ平時代の思いを問われると、「こぶ平っていいですよね〜」と満面の笑み。「一緒に育てた感覚があるんですよ。(本名の)海老名泰孝という人間が育てた。バラエティーで構われ役で、アニメの吹き替えをして、いろんなお仕事をした。いまでも『こぶ平さん』って言われる。長く付き合っていた、でもお別れをしていないお友だちのような。とてもいとおしい」としみじみ話し、最後に「絶対誰にも継がせない」と締めくくると、会場の笑いを誘った。

 2005年に正蔵を襲名してからは、落語に専念。古典落語にも力を注ぎ、華のある存在感と人情味ある語り口が人気だ。正蔵としての現在地について「個の魅力、キャラクター、自分探し、私にしかできない落語。それは手応えを感じつつあるんです。何か伝わったかなって感じの手応えがあります。爆笑な話をできるわけではないですけど」と自信を見せた。

 「会長になりたかったか」という質問には熟考。「林家正蔵になりたかったか、こぶ平でテレビに出たかったか…。落語家にはなりたかった。志ん朝師匠の姿を見て、うん、落語家になりたかった。中学出てすぐ落語家になりました。それと同じで、会長になりたかったかって言われると、『おやりなさい』って言われた声に従う生き方をしてきました。芸の神様が目の前においてくれたものをお断りするのは失礼になる。やるだけやってみよう。純粋に引き受けたってことです」と語った。