「高カルシウム血症」とは?症状・治療法・原因も解説!医師が監修!

多発性骨髄腫の検査法や治療法はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が多発性骨髄腫の検査法と治療法について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「多発性骨髄腫」を発症すると「どこにどんな痛み」を感じる?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
鎌田 百合(医師)

千葉大学医学部卒業。血液内科を専門とし、貧血から血液悪性腫瘍まで幅広く診療。大学病院をはじめとした県内数多くの病院で多数の研修を積んだ経験を活かし、現在は医療法人鎗田病院に勤務。プライマリケアに注力し、内科・血液内科医として地域に根ざした医療を行っている。血液内科専門医、内科認定医。

「多発性骨髄腫」とは?

多発性骨髄腫とは、血液細胞の一つである形質細胞という細胞ががん化した病気です。形質細胞は、体内に侵入した病原体と戦うための抗体を作る細胞です。この形質細胞ががん化することで、役立たずの抗体(Mタンパク)をたくさん作ってしまいます。このMタンパクが血液や臓器の中へ蓄積されることで、多彩な症状を起こします。
その代表的なものの一つが痛みです。痛みは、初診時におよそ半数以上の患者さんで認められるとの報告もあり、生活の質を下げてしまうため適切な対処が必要です。

多発性骨髄腫の検査法

多発性骨髄腫を疑った場合は、以下のような検査を行い診断します。骨髄腫細胞の有無やMタンパクを調べ、骨の状態、貧血の状態、治療方針を決めるための全身の臓器の合併症の有無などを調べていきます。

血液検査、尿検査

ヘモグロビン、白血球、血小板などを検査し、造血能を調べます。治療方針の決定のため、肝臓や腎臓などの機能が問題ないか確認します。
また、血液検査でMタンパクが増加しているかどうかを確認します。血液中でMタンパクが増えていなくても、尿中にベンスジョーンズ蛋白というMタンパクが排出されている場合もあるため、尿の検査も行われます。

骨髄検査

骨の中にある骨髄に針を刺して骨髄液を採取し、多発性骨髄腫の細胞の種類や悪性度を検査します。細胞の表面マーカーを調べ、腫瘍に特徴的なマーカーがあるか調べます。また、染色体検査で予後を推定します。
骨髄検査は血液検査や画像検査などで多発性骨髄腫が疑われた場合に、診断をするために行われます。

CT、MRI、X線

骨病変の検索のために、画像検査を行います。骨の病変があるか、病的骨折があるかなどについて確認します。より詳細な病変を確認するためには、PET CTという検査を行う場合があります。
PET CTは、ブドウ糖にがんが集まる性質を利用し、FDG(放射性フッ素を付加したブドウ糖)を用いて、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を確認することで病変の詳細な広がりを調べることができる検査です。

多発性骨髄腫の治療法

薬物治療

多発性骨髄腫の治療は、抗がん剤による化学療法が中心となります。血液内科が治療を担当します。
抗がん剤は、様々な種類の薬剤を複数組み合わせて行います。近年は新規薬剤と呼ばれるボルテゾミブ、レナリドミドなどの薬剤が使用できるようになりました。さらには分子標的薬であるカルフィルゾミブ、ダラツムマブ、イキサゾミブ、エルラナタマブなどが治療選択肢に加わりました。近年では細胞免疫療法であるCAR-T療法も行われるようになっており、患者さんの全身状態、病気の状態などで治療が選択されます。

放射線治療

骨髄腫細胞は放射線への感受性が高く、骨痛の緩和や骨折の予防が期待できるため、局所療法として行われる場合があります。また、多発性骨髄腫の腫瘤が脊髄を圧迫している場合、すみやかな放射線治療が必要です。
緩和的な放射線治療では放射線量は少なく、局所的に照射するため副作用も比較的少ないとされています。放射線科が主体となって治療が行われます。

支持療法

多発性骨髄腫は多彩な症状が起こるため、症状に対する治療も同時に行われます。
骨の痛みに対しては鎮痛剤の投与が行われます。圧迫骨折を起こしている場合はコルセットを使用すると症状が緩和します。さらに、もろくなった骨を強化するため、ビスホスホネート製剤などの薬物治療で骨を強化します。
貧血が高度の場合は、輸血が行われる場合もあります。

「多発性骨髄腫の痛み」についてよくある質問

ここまで多発性骨髄腫の痛みなどを紹介しました。ここでは「多発性骨髄腫の痛み」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

多発性骨髄腫が進行するとどんな症状が現れますか?

鎌田 百合 医師

多発性骨髄腫は多彩な症状を引き起こします。代表的な症状に、骨痛、貧血、めまい、むくみ、しびれなどがあります。また、免疫を担当する形質細胞ががん化する病気のため、感染症を起こしやすいことも特徴です。

多発性骨髄腫の進行速度はどれくらいでしょうか?

鎌田 百合 医師

多発性骨髄腫の進行速度は、病気のステージや診断時の状況によって異なるため、一概には言えません。R-ISS分類という病期分類は、染色体異常、血清乳酸脱水素酵素(LDH)、血清アルブミン値、β2ミクログロブリン値で決定され、おおよその予後が推定されます。治療は、全身状態やステージなどを総合的に考え決定されます。医師とよく相談して治療を行いましょう。

まとめ

多発性骨髄腫で起こることの多い痛みについて解説しました。痛みは多発性骨髄腫に多い症状で、生活の質を大きく下げてしまいます。痛みが強い場合は、医師に相談して症状緩和の治療を受けるようにしましょう。

「多発性骨髄腫」と関連する病気

「多発性骨髄腫」と関連する病気は8個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

圧迫骨折


腎臓内科の病気

ネフローゼ症候群

アミロイド腎症


血液内科の病気

貧血

アミロイドーシス

原発性マクログロブリン血症

POEMS症候群


電解質の異常

高カルシウム血症

多発性骨髄腫は骨をはじめ、体のさまざまな臓器に症状を起こします。

「多発性骨髄腫」と関連する症状

「多発性骨髄腫」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

体が痛む

腰が痛い

足がしびれる

喉が乾く

便秘疲れやすい

息切れ

動悸

多発性骨髄腫は上記のような多彩な症状を起こす病気です。このような症状が起きた場合は、医療機関を受診してください。

参考文献

多発性骨髄腫の原因・症状について|国立がん研究センター

Symptoms of myeloma|Cancer Research UK

多発性骨髄腫の診療指針2024 第6版|日本血液学会