スケボーパークを訪れた清司さん(Flora提供)

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 新潟県を拠点に活動するアイドルグループ・NGT48の清司麗菜さん。

 スケートボードの大会でよく見る「親子で一緒に滑る」を経験したそう。キャリア11年目で売れっ子になりつつある彼女が見せた、スケボーと人生の成長とは。「清司麗菜の#SkateLife〜continuity180〜」の第41回です。

 ⺟と埼⽟県内のスケートボードパークに⾏った。

 実家は埼⽟県にある。仕事の都合で関東に来るときには、実家に⽴ち寄ることも多い。

 中学⽣でNGT48 に加入して、新潟で暮らし始めた。私がスケートボードを始めたのは 2021 年の夏からだから、⺟と⼀緒に趣味を共有することもなかった。

 私にとって、ふるさとは当然、埼⽟県になるのだけれど、ホームは? と聞かれれば、新潟なのだ。最近、仕事で忙しくてスケボーに乗れなかった私はパークに⾏けばうまく滑ることができないのは明⽩だった。「調⼦悪かったら、また落ちちゃうな」と予感し、ホームではない場所で気分転換を兼ねて滑ろうと思い⽴ったのだ。

実家に帰ると機嫌が悪い

 実家に帰るとき、私はだいたい機嫌が悪い。

 グループは同期の⻄潟茉莉奈ちゃん以外は全員後輩になった。アイドルだって悩みはあるわけで、昔はたくさんの同期に囲まれていたけど、こういう状況では⾃分が「はき出す場所」みたいなのは少なくなっていく。

 アイドルという仕事は⻑く続けていけるものじゃないし、25 歳の⾃分にも将来の不安はやっぱりある。だけど、今回は少し状況が変わった。弱⾳や愚痴を吐かずに実家で過ごすことができた。

 スケートボードの世界はトップ選⼿であっても、ご家族がそばにいることが多い。

 野球やサッカー、体操などはコーチが指導して、⼤会中は指⽰をもらうということがあるけれど、スケートボードは意外にそういうケースが少ない。SNS を⾒て、他のスケーターの滑りを⾒て、マネしてみる……。まずは⾃分でやってみるというカルチャーだ。

 そうすると、練習を⼀番近くで⾒ているのは、練習場まで送り迎えをする家族だったりする。「うまく滑れているとき」と「滑れていないとき」の違いがよく分かるのかもしれない。⽇本選⼿権や世界⼤会などのレベルでも、コースのすぐ近くでスケートボード未経験の家族がアドバイスを送ったりするのは、⽇常⾵景なのだ。

 とはいえ、私⾃⾝はスケボーを始めるとき、スクールに通っていたし、そもそも親と⼀緒にパークに⾏ったことはほとんどなかった。親からアドバイスをもらうという経験はもちろんなかった。

⺟と⼀緒に滑ってみると

 ⾃宅から⾞で 40 分くらいの場所にあるパーク。到着すると、「⾞の中にいるね」と⾔っていた⺟は、結局ずっと練習を⾒守ってくれていた。動画もたくさん撮影してくれて、「⾜幅をもう少し広くしてみたら?」などとアドバイスをくれたりもした。

 意外なことに「知らないくせに……」と思うことはなく、むしろ⾃分で気づけないようなことを指摘してくれて、うまく乗れる瞬間もあった。スケボーを始めた時、事務所のスタッフさんが毎回帯同して下さっていた。みんなが分からないまま試⾏錯誤してやっていくのが、本当に楽しかったなぁ。やっぱり、楽しんで滑ることが⼀番だと思ったし、トップ選⼿でも家族がそばにいる理由が少し分かったような気がする。

 いつもは⼀⼈で滑りに⾏くことが多い中、⺟と⼀緒に滑れたのは楽しかったし、私は久しぶりに上機嫌でいることができた。

スマホの契約を⾒直して

 実は今回の帰省の最⼤の⽬的は、スマートフォンの契約の⾒直しだ。

 14 歳でアイドルとしての活動を始めた私は⻑いこと、携帯電話料⾦(今はスマホ代っていうのかな……)を⽗に払ってもらっていた。でも、それを今年度から⾃分で⽀払おうと思ったのだ。

 仕事を始めて 11年⽬。実は、私は今までにないほどに仕事が増えてきている。スケボーではテレビリポーターをさせていただくことも増えたし、SASUKEやKUNOICHI などのスポーツ系番組への出演、さらに競⾺とプロレス……。“正統派”に憧れてこの世界に⾶び込んだ私だけれど、いろんな仕事に挑戦するにつれて、この年齢で⼀番売れ出した。

 父と母には、離れて暮らしていながらたくさんの愛を注いでもらっていたし、金銭面でもたくさん頼ってきた。両親に安心してもらいたい気持ちもあって、⾃分でスマホ代を⽀払うことにしたのだ。後輩がどんどん増えていく中で、⼀期⽣の私だって頑張っていいのだ。実家に帰るたびに不機嫌な私が「スマホ代を⾃分で⽀払う」と⾔ったのがよかったのか、いつもは「将来はどうするの?」と聞いてばかりの⽗と⺟も「好きなように頑張りなさい」と⾔ってくれた。

 ⺟と⼀緒にスケボーに⾏って、スマホは⽗の契約を離れる。いつまでたっても⼦どもだなと思ったり、いつまでも⼦どもではいられないと悟ったり。⼦どもと⼤⼈の間で25歳のアイドルは⼼地よく揺れている。

プロフィル

清司麗菜(せいじ・れいな)  NGT48の1期生。埼玉県出身。2001年4月生まれ。「バイトAKB」として2014年にアイドルのキャリアをスタートさせ、2016年にNGT48に加入。全国スケートボード施設連絡協議会アンバサダー。趣味はスケボーのほか、歌うこと、筋トレ。Instagramは「 @reinaseiji 」、X(旧Twitter)は「 @official_seiji 」