東南アジアが特殊詐欺グループを「包囲討伐」、犯罪ネットワークの再編と越境移動が加速―シンガポールメディア
シンガポールメディアの連合早報は28日、東南アジアが特殊詐欺グループを「包囲討伐」し、犯罪ネットワークの再編と国境を超えた移動が加速しているとする記事を掲載した。
記事によると、マレーシア、インドネシア、タイ、カンボジアで特殊詐欺拠点の摘発が相次いでいることを受け、特殊詐欺グループが活動拠点を東南アジアの他の国へ移すのではないかとの懸念が高まっている。
専門家は、これについて「地域内での越境移動という傾向は確かに見られる。だがそれは単純な移転の波というものではない。詐欺産業が法執行機関による圧力の下で展開する新たな地域的再編だ」との見方を示した。
マレーシアの国際人道主義機構(MHO)はこのほど、カンボジア、ラオス、ミャンマーで活動していた一部の詐欺グループが、マレーシア国内の少なくとも二つの秘密拠点に移り、半年以上にわたって活動を続けていると指摘した。これを受け、マレーシア警察は捜査に着手するため、同機構に対して情報の提供を求めた。
ここ数カ月の間に、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムは相次いで大規模な取り締まりキャンペーンを展開している。特にマレーシア警察は5月、数十軒の高級住宅を急襲して複数の国際的な詐欺グループを摘発し、187人を逮捕するとともに、約5800万リンギット(約22億6200万円)相当の資産を押収した。
米データ分析・リスク情報企業インカ・デジタルのシニアアドバイザー、ジェイコブ・シムズ氏は連合早報の取材に応じ、「マレーシア、インドネシア、タイを『新たなカンボジア』と見なすべきではない。なぜならそれぞれ政治情勢が異なるからだ。しかし、これらの国々は詐欺の『エコシステム』においてますます重要な役割を担っており、人員の移動や勧誘、資金の流れ、水面下での調整、さらには特定の実行業務の拠点となっている」と指摘した。
東南アジアの詐欺拠点に詳しいメルボルン大講師のイバン・フランチェスキーニ氏も、「カンボジアの法執行拡大を受けて詐欺グループの国境を越えた移動が活発化するだろう。この文脈でマレーシアの名が頻繁に挙がるが、同国が新たな大規模詐欺拠点となるかどうかを判断するには時期尚早だ」との認識を示した。(翻訳・編集/柳川)

