ロッテ・小野郁(撮影=岩下雄太)

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 ロッテ・小野郁は開幕二軍スタートだったものの、4月26日に一軍昇格を果たしてから力強いストレートでブルペンを支えている。

 勝負の年と決意し覚悟を持って臨んだ昨季、ロッテのブルペンでは唯一シーズン通して一軍で投げ抜き、47試合に登板して2勝2敗10ホールド、防御率2.59と復活を印象付ける1年になった。

 今季に向けて例年通り、「ランニングばっかりです」と体力強化をメインに1年間シーズンを戦い抜く体づくりに図った。都城春季キャンプでは初日から2日連続でブルペン入り。2月11日のライブBPでは和田康士朗、安田尚憲に20球(5球×2打席)を投げ、安打性のあたりをわずか1本に抑えた。小野の球を受けた植田将太は「良かったと思いますね。まとまりもあったと思いますし、スライダーが持ち味だと思うので変化球は。左のインコースで空振りを取れていましたし、良かったんじゃないかなと思います」と振り返った。

 練習試合・オープン戦に向けて、「しっかりアピールしていかないといけないと思うので、試合が始まってどうなるのかわからないですけど、しっかり結果を残せるようにやっていきたいと思います」と意気込んだ小野は、実戦初登板となった2月15日のヤクルトとの練習試合1回を無失点に抑えるなど、練習試合・オープン戦は7試合・7回を投げ、防御率2.57だったものの、1回1失点だった3月18日の阪神戦を最後に一軍登板はなく、開幕を2年ぶりにファームで迎えた。

 ファームで8試合に登板し、4月26日に今季初昇格。5月1日の西武戦で今季初登板を果たし、2回を投げ1失点。続く5月5日のオリックス戦から5月29日の阪神戦にかけて9試合連続無失点に抑えた。

 5月10日のソフトバンク戦、2−5の6回二死一塁で庄子雄大を1ストライクから見逃しを奪った2球目の151キロストレート、見逃し三振に奪った3球目のインコース153キロストレートは素晴らしく、1回無失点に抑えた5月13日の日本ハム戦は12球中10球がストレートのパワーピッチング。

 ストレートに関して6月12日の取材で「バランスよく投げられているので、これでいいなと思います」と話し、その後も力強いストレートを投げ込み、6月28日のソフトバンク戦、3−3の11回一死走者なしで近藤健介を3ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた9球目の外角154キロストレートは素晴らしかった。

 武器のひとつでもあるスライダーも「いつもと変わらず腕を振って投げているだけなので、それがだんだんバランスも良くなっているのかなと思います」と、5月16日のオリックス戦、0−0の6回二死一塁で若月健矢に1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた135キロ縦に落ちるスライダー、6月7日の巨人戦、2−2の11回先頭のキャベッジを2ストライクから空振り三振に仕留めた138キロ縦に落ちるスライダーが良かった。

 チェンジアップも「左に対して逃げていく球なので、チェンジアップがあればスライダーもいきてくる感じですね」と、6月7日の巨人戦、2−2の11回一死走者なしで中山礼都に1ストライクから空振りを奪った2球目の外角142キロチェンジアップは良い落ちだった。

 気になったのは今年、150キロに迫るチェンジアップも投げていること。5月29日の阪神戦、0−1の7回一死二塁で伏見寅威を2ボール2ストライクから5球目の148キロインコースシンカー系チェンジアップで空振り三振に仕留めた。

 小野に確認すると、「あれはフォークです。フォークを再び投げようかなと思いました」とポツリ。小野といえば、右肘手術前の24年はフォークを投げていたが、25年2月5日の石垣島春季キャンプの取材で「(フォークは)もう投げません、多分」と話していた。

 その中で再びフォークを投げ始めようとした理由について聞くと、「ファームで投げた時に良かったので、続けて投げています。チェンジアップが140キロくらいなので、140後半出ればいいかなという感じで投げています」と教えてくれた。

 春季キャンプのライブBPや練習試合・オープン戦で時々、カーブを投げていたが、「自分のバランスを整えるためだけだったので、あんまり投げていないですね」という理由で、シーズン始まってからほとんど投げていない。

◆ イニング跨ぎ

 今季は1イニングだけでなく、6月28日のソフトバンク戦のようにイニング跨ぎでのリリーフも多い。5月1日の西武戦は2回を投げ1失点だったが、5月29日の阪神戦、6月6日の巨人戦、6月28日のソフトバンク戦は2回を無失点に抑えている。

 特に6月6日の巨人戦は1−1の10回に登板すると、1イニング目の10回は浦田俊輔を初球の153キロのストレートで左邪飛、続く佐々木俊輔を1ストライクから2球目のフォークで中飛、キャベッジを1ボール2ストライクから140キロのスライダーで空振り三振に打ち取り、わずか7球で終える。2イニング目となった11回も大城卓三を二ゴロ、松本剛を遊ゴロ、ティマを二飛と危なげなく3人で片付け、2回・16球を投げパーフェクトに抑える見事な働きだった。

 イニング跨ぎでの登板について小野は「今年入ってから結構多いので、何も気にしていないというか、1イニング、1イニングしっかり投げるだけです」と、目の前の打者に集中する。

 「任されたところをしっかり投げるだけだと思っているので、これからも言われたところでしっかり投げたいと思います」と頼もしい言葉。「チームに流れを引き寄せられるようなピッチングをしていきたいと思います」と決意を述べた。同点、ビハインドゲーム中心だが、リリーフ陣が安定している裏に、小野がいることを忘れてはならない。

取材・文=岩下雄太