日経平均大揺れのなか「ダイヤの原石が数多く眠るホットスポット」とプロの注目集めるスタンダード市場の超魅力銘柄

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日経平均株価が史上初の7万円到達後に高値波乱の様相をみせるなか、東京証券取引所のスタンダード市場への見直し機運が高まりつつある。日経平均構成銘柄の集まるプライム市場に目を奪われがちだが、上場企業数ではプライム市場をも上回るスタンダード市場に対し、相対的な割安感に着目する動きや上場企業の質向上を目指す改革議論が活発となってきた。

機関投資家は一度の売買で株価が大きく変動しやすい中小型株を敬遠しがちであり、スタンダード市場に対する注目度は低い。逆を言えば、割安なまま放置されている有力企業も数多く眠っている。スタンダード市場のPBR(株価純資産倍率=株価が会社の資産価値の何倍かを示す指標)は1.09倍、予想PER(株価収益率=株価が1株利益の何倍かを示す指標)は14.7倍。対して、プライム市場はPBR1.76倍、PER17.5倍と、数字の上でも割安感は鮮明だ。

追い風も吹く。東証は2026年10月から、市場全体の値動きを表す指数「TOPIX」の構成対象にスタンダード市場の主要銘柄も算入対象に加える方針だ。プライム市場でPBR改革をけん引してきた「資本効率を意識した経営」の波は、いよいよスタンダード企業にも押し寄せようとしている。玉石混交の市場にも改革の目が向けられるならば、ダイヤの原石が数多く眠るホットスポットとして注目を集める期待があろう。

守谷輸送機工業<6226>

・6月26日終値2239円 配当利回り(予)1.70%

荷物用エレベーターの製造から据付、保守管理までを一貫体制で手掛けている。物流施設や食品工場など大量搬送が求められる現場において、代替しにくいニッチ市場を支えるパイオニア的存在であり、競合他社が追随しにくい特注対応の技術力が評価されている。

前2026年3月期末の受注残高は前期末比10.6%増の237億5,500万円に積み上がった。物流倉庫の大型化やハイスペック化(より高度な仕様にすること)を背景に、エレベーターの大型化や台数を増やす需要が盛り上がっている。物流施設の新設ラッシュや、既設エレベーターのリニューアル需要が重なったほか、製品単価の上昇が進んでいる。保守・修理事業は契約台数の積み上がりにより安定的に利益を生む「ストック収益」型ビジネスであり、業績の堅調な推移が見込まれる。

株価が株式分割(2026年4月に1対2)を経て投資しやすい価格帯になった点も見逃せない。ROE(自己資本利益率)は30%に迫る水準と、スタンダード市場の平均をはるかに上回る。2027年3月期に配当性向30%程度を目安とする方針であり、今期の業績進捗を確認しながら買い増していくアプローチが考えられる。

セプテーニHD<4293>

・6月26日終値455円 配当利回り(予)3.96%

インターネット広告の黎明期から業界を牽引してきた同社は、電通グループとの包括的な協業を通じて圧倒的な顧客基盤を構築している。2026年12月期第1四半期(1-3月)の営業利益は前年同期比65%増と大幅な上振れを記録した。まさに東証が求める持続的な資本効率の向上を具現化していると言えよう。

背景にあるのはAI活用によるマーケティング効率の劇的な改善だ。近年はAI(人工知能)を活用した広告クリエイティブの自動生成や、人員配置の適正化を徹底している。TikTok Shopでのライブコマース支援やCVR(コンバージョン率=広告を見た人が実際に購買する割合)改善パッケージなど、最新のデジタル手法を次々と展開した効果が実を結び、直近3カ月の売上営業利益率は前年同期の19.0%から28.2%へと大幅に上昇した。業務効率化が収益に直結している証拠だ。

時価総額約1,000億円未満で、デジタルマーケティング企業としての潜在価値が十分に評価されていない水準にある。一方、配当利回り約4%の高さは株価の下値水準を支える要因になりうるだろう。生産性向上の成果が次四半期の決算でも確認できれば、さらに投資妙味が高まっていきそうだ。

santec<6777>

・6月26日終値28000円 配当利回り(予)0.82%

独自の高度な光学技術を基盤とし、最先端の学術研究から産業用途まで幅広い製品を供給している。光通信に不可欠な可変波長光源(光の波長を精密に変化させて出力する装置)や光測定器の分野で世界的なシェアを誇る。

米国や中国をはじめとするグローバル市場でAIデータセンター向けの需要が急拡大するなか、同社が握る精密光測定技術の需要は中長期的な拡大局面を迎えている。AIデータセンターの「光化」(光トランシーバーや光ファイバーで高速データ通信を実現すること)が世界的に加速しており、光部品関連事業では光モニタの販売が急回復し、利益率の高い光通信用測定器の需要が想定を上回る好調ぶりを示している。

生産ラインはフル稼働状態が続いており、2027年3月期や2028年3月期も生産能力の拡張に伴う前四半期比での増収増益トレンドが持続する公算は大きい。現在の配当利回りは低めだが、EPS(1株当たり利益)の成長ペースが急速で、財務内容の健全性からは、将来の増配余地は高まる期待が大きい。豪州や韓国の企業との協業により量子コンピュータや新世代部品の開発にも先手を打つなど、テーマ性も豊富だ。

IMV<7760>

・ 6月26日終値2397円 配当利回り(予)1.25%

振動試験装置の専門メーカーとして、製品の耐久性や安全性を確認する試験ビジネスで高い信頼性を確立している。個別要件に合わせた柔軟なカスタム対応を強みに国内シェアは約6割、世界でもトップ級のシェアを持つ。

電気自動車のバッテリー、航空機の翼、宇宙ロケットの部品、半導体実装基板のすべてが、出荷前に必ず振動試験装置で揺らされ、現実の使用環境(振動、衝撃、温度変化)に耐えられるかが試される。防衛関連や航空宇宙関連などの高度な信頼性が要求される分野では、とりわけ同社のシミュレーション技術は不可欠な存在となる。

2026年2月には「宇宙戦略基金(第二期)」に採択され、宇宙機の環境試験への活用が加速する見通しも出てきた。欧米の航空宇宙・防衛大手との取引拡大で海外売上比率が高まっている。米国西海岸への新拠点設立も計画中だ。

将来的には蓄積したデータを活用し、AIを用いたデジタル空間での実証試験という新たな商機も見据えている。地政学リスクや予算執行のタイミングによる四半期ごとの業績のブレは生じうるが、防衛予算の増額や航空宇宙産業の活性化は強力な追い風となるだろう。

全保連<5845>

・ 6月26日終値996円 配当利回り(予)4.82%

家賃債務保証サービス(賃貸住宅の入居者が家賃を払えないとき、代わりに家賃を支払う)を展開する同社は、保証件数380万件超と業界最大級の規模を誇る。家賃保証は景気サイクルの影響を受けにくいストック収益型のビジネスモデルであり、株式市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)が高い局面でもディフェンシブ(防御)な魅力を持つ。

成熟産業のイメージの強い居用家賃債務保証サービス市場だが、同社においては成長局面を迎えていると考える。そのもっとも大きな背景が三菱UFJフィナンシャル・グループとの業務提携だ。カード戦略や地銀戦略などを駆使した顧客開拓が本格化している。さらには従来出遅れていた事業用の大型物件への進出も、次なる成長を牽引する強力なドライバーとなりつつある。

AIやDXを駆使した社内システムの効率化による利益率の改善も進めている。2027年3月期の予想ROE(自己資本利益率)は30%を超える見込みであり、資本効率の高さはスタンダード市場の中でも際立っている。2026年3月期から2030年3月期の長期経営計画では累進配当(配当を下げない方針)を明言するなど、高配当利回り銘柄としての魅力は大きいと考える。

2022年に東京証券取引所(東証)が市場区分を再編してから丸4年が経過した。当初は旧東証1部企業の多くがプライム市場に横滑りした。しかし、プライム市場が厳しい上場維持基準によって選別を進める裏側で、中堅企業中心のスタンダード市場に魅力的なビジネスモデルを持った「隠れ優良企業」が集まりつつある。TOPIXの対象拡大を機に、資本効率を意識した経営が浸透すれば、埋もれた優良企業の価値が再発見されやすくなるだろう。

【著者】宇野沢茂樹

和光証券(現みずほ証券)でデリバティブ業務に従事後、投資情報会社フィスコ、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」キャスターなどを経て、現在はエンジニア(Python,SQL)としてDX支援にも参画。日本証券アナリスト協会検定会員。

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