宮崎緑学長が新理事長選出を拒否して退席…!千葉商科大学クーデター「異様な臨時理事会の一部始終」
「決議書は読んだのか」
「決議書について何か言うことは」
6月10日に開かれた千葉学園の臨時理事会で、宮崎緑学長は、議長席に座る瀧上信光常務理事に詰め寄った。
前編でみてきたように、千葉商科大学の同窓会は、この理事会のわずか2日前、本部と各支部の役員68人が署名した「決議書」を提出していた。
【前編はこちら、『NHK元人気キャスターがついに理事辞任…!千葉商科大学・宮崎緑学長が激怒した「クーデター」のヤバすぎる顛末』】
そこには、学園の混乱を収束できなかった責任を理事会全体が負い、現任理事全員がいったん辞任するよう求める、極めて重い要求が記されていた。
ところが、臨時理事会が始まっても、議長の瀧上氏は決議書に一向に触れようとしなかったという。
その議事運営に異議を唱えたのが、宮崎学長だった。
複数の関係者への取材から、宮崎氏が理事辞任を決意するに至った臨時理事会の全貌が明らかになった。
学長と同窓会長が退席した「異様な選出劇」
6月10日、13時に臨時理事会は始まった。
ところが、瀧上氏は同窓会から提出された「決議書」に一向に触れようとしなかったという。
しびれを切らした宮崎学長が、こう問いただした。
「決議書について何か言うことは」
「読みました」
瀧上氏は、そう一言答えただけだったという。
同窓会の意思を、理事会としてどう受け止めるのか。
なぜ、正式な議題として取り上げないのか。
同窓会長でもある高橋伸治理事も反発し、瀧上氏の議事運営に抗議した。
しかし、瀧上氏は取り合おうとしなかったという。
そこで宮崎氏は、同窓会の要請に沿って、現任理事全員が辞任することを求める動議を提出した。
ところが、この提案も、
「議決を取る必要はない」
として退けられたという。
瀧上氏はそのまま、辞任した内田茂男前理事長の後任を選ぶ議案を諮ろうとした。
ここで、不信感を募らせた宮崎氏と高橋氏は、ついに席を立った。
二人は議決への参加を拒否し、会議室から退出したという。
教学部門のトップである学長と、卒業生を代表する同窓会長が、ともに新理事長の選出に加わることを拒絶したのである。
だが、二人が退出した後も、臨時理事会は続けられた。
そして瀧上氏を、新たな理事長に選出した。
学園は、その日のうちに瀧上氏の理事長就任を教職員に通知した。
学長も校長も欠く「理事会」の無謀な決定
千葉学園の理事定数は、11人以上13人以内と定められている。ところが、この時点ですでに3人の理事が辞任しており、理事の人数は定数の下限を割り込んでいた。
しかも、新理事長の選出に、大学の学長も、付属高校の校長も参加していない。
同窓会の関係者の間では、こんな指摘が出ている。
「教学部門の責任者がいない中で選ばれた学校法人の理事長で、世の中の納得が得られるのか」
「瀧上氏は創立者の一族でもない。形の上では理事会で決めたにせよ、実態は前理事長に指名されて常務理事に選ばれたに過ぎない」
もちろん、学校法人の理事長に、創立者一族であることが求められているわけではない。だが、こうした批判の背景にあるのは、瀧上氏自身がクーデター派に与していたと見られているからだ。
そして、それはなぜ実行されたのか。
クーデター派の思惑への疑念が関係者には渦巻いている。
100億円の整備計画に渦巻く疑念
その一つが、同大学の校舎建て替えとの関係だ。
千葉商科大学では現在、100億円を超える巨額のキャンパス整備計画が進行中であることが、その疑念に拍車をかけているのだ。
2021年に元理事長が逮捕された日本大学の不祥事で広く知られたように、私立学校では、建築工事のバックマージンなどの疑惑がしばしば問題になる。その際、不正の温床として、学校法人の子法人や関連会社が利用されるケースもある。
2025年に発効した改正私学法では監事や会計監査人に子法人の調査権限が付与された。しかし、すべての子法人について常時、一律の調査を義務付けているわけではない。監事や会計監査人が実際に機能しなければ、不透明な取引が見過ごされるおそれは残る。
千葉商科大学で、同窓会をはじめ今回の騒動に懸念を持つ関係者が疑念を深めている理由はここにある。
そして、彼らの不信の最大の要因になっているのは、内田理事長を辞任に追い込んだ正当な理由が聞こえてこないことだ。
なぜ内田氏の辞任を急いだのか。
なぜ中立的な調査や十分な弁明の機会を設けなかったのか。
なぜ同窓会が求めた理事全員の辞任を拒み、自分たちだけが残ったのか。
大義なきクーデターによって残されたのは、「正統性」を失い、崩壊しつつあるガバナンスと、蚊帳の外に置かれた教職員、そして混乱のなかに取り残された学生たちだ。
「学長声明」を全文公開!
以下に、学長の声明と同窓会の決議書を掲載しておこう。
二つの文書からは、千葉学園が直面しているガバナンス危機の深刻な実態が見えてくる。
同窓会の「決議書」
さらに、『【新「内部文書」入手】辞任理事長が明かした「職員理事への権力集中」…!千葉商科大クーデターの深層』でも、クーデターによって辞任に追い込まれた前理事長・内田茂男氏の退任の言葉を伝えている。

