子育ての「自分後回し」は逆効果?脳科学者が教える、親が好きなことを楽しむと子どもが伸びるワケ【子ども脳疲労】

写真拡大

子ども脳疲労をためないために、親が「やめる」こと

趣味を我慢することをやめる

親の楽しむ姿に子どもはよい影響を受ける

 子育てをしていると、自分のことはどうしても後回しになりがちです。読みたかった本、続けていた趣味、ゆっくり過ごす時間。子どもを優先するうちに、そういった「自分の楽しみ」は脇に置かれてしまいます。それが当たり前だと感じている親御さんも、多いかもしれません。

 けれども、自分の好きなことを我慢し続けると、次第に心の余裕が失われていきます。そして、それは家庭の空気にも影響する可能性があります。親の表情や声の調子は、思っている以上に子どもに伝わるからです。

 一方で、親が好きなことを楽しんでいる姿は、子どもに安心感を与えます。楽しそうに本を読んでいる、音楽を聴いている、花の手入れをしている。そんな何気ないことであっても、家庭に漂う空気は自然とやわらぎ、子どもに余計なストレスをかけないで済みます。

 もちろん、好きなことをするとは、子どもを置いて自分のことだけに没頭するという意味ではありません。大切なのは、親が自分の楽しみを持ちながら、その一部を子どもと分かち合うことです。料理が好きなら一緒に台所に立ったり、散歩が好きなら一緒に出かけたりしましょう。親が心から好きなものに触れることで、子どもは「楽しい」という感覚を体験します。無理に習い事をさせなくても、身近な大人の姿が刺激となり、やがて子どもが自身の好きなことを見つける手がかりにもなるはずです。

 また、親が趣味に励んでいる姿は、「好きなことを大切にしてよい」というメッセージにもなります。言葉で説明するよりも、その様子を目の当たりにするほうが強く伝わります。親が我慢するのをやめれば、子どもにとってプラスになることがたくさんあるのです。

【出典】『子ども脳疲労』著:成田奈緒子

【著者紹介】
成田奈緒子(なりた・なおこ)
小児科医・医学博士・脳科学者。発達脳科学を専門とし、子どもの睡眠や生活リズムと脳の発達の関係を長年研究。医療現場で多くの親子と向き合うなかで、子どもの不調の背景には睡眠不足や過干渉など家庭環境の影響が大きいことに着目する。脳の発達段階に即した子育てのあり方を提唱し、講演・執筆活動を通じて広く発信。親子支援事業・子育て科学アクシスを主宰し、保護者向け講座や教育支援にも力を注いでいる。著書に『誤解だらけの子育て』(扶桑社)、『子育てを変えれば脳が変わる こうすれば脳は健康に発達する』(PHP 研究所)、共著に『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB クリエイティブ)などがある。