FBS福岡放送

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飲酒運転事故の責任などを問う危険運転致死傷罪の適用基準を明確にするための、数値基準を盛り込んだ改正法が6月25日、国会で成立しました。飲酒運転の車によって、わが子3人の命を奪われ、法の改正を求めていた母親が、思いを語りました。

■大沼かおりさん(49)
「今までたくさんの命が失われて、その家族が苦しみの中で声を上げてきたから、やっと今回の法案が成立したところを見ると、天国で待っている人たちの代弁者として我々が動いた第一歩だと思って、そこは前向きに捉えたいなと思っています。」

大沼かおりさんは20年前、福岡市東区の海の中道大橋で、当時、福岡市職員だった男の車に追突され、わが子3人の命を奪われました。男は飲酒運転でした。

現在、飲酒運転の撲滅に向けた取り組みを続けています。

6月25日、衆議院の本会議で「危険運転致死傷罪」の適用基準を定めた改正法が可決・成立しました。

最高で拘禁刑7年の過失運転致死傷罪に比べて、危険運転致死傷罪は量刑が重く、最高で20年の拘禁刑が定められています。

しかし、危険運転致死傷罪の適用を巡っては、"危険運転"の定義があいまいで、適用基準を見直すための議論が国の法制審議会で続けられました。

■被害者遺族
「私たち被害者遺族の目線に立った法律の改正を、どうかよろしくお願い申し上げます。」

ことし1月、飲酒運転事故の被害者遺族7人は、危険運転致死傷罪の厳罰化を求める要望書を法務大臣に提出しました。

さらに、適用基準をより厳しくするよう求めました。

■被害者遺族・井上郁美さん
「飲酒運転による事故は数値だけでなく、事故の前から当時のこと、事故の後の対応まで、すべて総合的に判断しなければならない。」

■大沼かおりさん
「今までの現行法のように、二次的な被害だったり、これがまた苦しみの材料とならないような、数値の明確化が必要かと思います。」

今回、成立した改正法では、これまで定められていなかった危険運転致死傷罪を適用する数値基準として、「呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上」と定められました。

さらに、数値基準を下回った場合でも「アルコールの影響により、正常な運転が困難な状態」と判断された場合は、適用対象となります。

また、道路交通法も改正され、これまで数値基準のなかった「酒酔い運転」について、危険運転と同じ「呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上」で適用します。

大沼かおりさんは、今回の法改正を前進と受け止める一方で、基準が独り歩きしないか懸念しています。

■大沼かおりさん
「0.5でなければ一発レッドカードが出ないという。よりハードルが高くなってしまわないかなという心配もある。一番の願いは飲酒運転が減ることですが、その次に、裁判で(遺族が)苦しむことが少しでも減らせるようになればいいなと思っています。」

飲酒運転は絶対に許さない。法律の改正は、ハンドルを握るすべてのドライバーへの強いメッセージです。

その改正法は、7月にも施行される見通しです。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年6月29日午後5時すぎ放送