事故で激しく損傷したマイクロバス(5月14日、福島県郡山市で)

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 福島県で5月、北越高校(新潟市)の部活動遠征時に起きたバス事故を受け、文部科学省と国土交通省がまとめた校外活動時の安全確保策の全容が29日、判明した。

 移動の車両に教職員らの同乗を促すほか、引率計画書を校長らが事前に承認するなど、学校全体での管理を徹底させる。交通事業者に契約書などの適切な交付を求めることも盛り込んだ。

 両省は近く安全確保策を公表し、全国の学校関係者や、バス、レンタカー、旅行会社などに周知を図る。

 事故を巡っては、バスの不適切な運行が明らかになっている。同校教員から運行を依頼されたバス会社「蒲原(かんばら)鉄道」(新潟県五泉市)は、運転手がつく貸し切りバスではなく、事業用でもない「白ナンバー」のレンタカーを手配。ドライバーについては、営業担当者が「知人の知人」を紹介した。学校側とバス会社は契約書を交わさず、バスには教職員が同乗していなかった。

 安全確保策では、社会科見学や修学旅行などの教育課程内の活動は原則、公共交通機関や貸し切りバス、スクールバスを利用することを基本とする。部活動の遠征やボランティア参加など教育課程外の任意の校外活動については、事業者が少ないといった地域の実情も踏まえて、レンタカーや教職員・保護者の自家用車利用も認める。

 教育課程の内外にかかわらず、移動の車両には教職員や部活動指導員、保護者らの「同乗が望ましい」と指摘。校長や教頭ら学校の管理職は、児童生徒の引率計画について、「書面による事前承認を含む安全管理を徹底する」とした。また、校外活動の計画について、保護者に事前に連絡することを求めた。貸し切りバスやレンタカーを探す際には、適切な業者を選び、契約書を交わすなど、学校全体で対応するよう促した。

 事業者に向けては、契約内容を記載した書類を学校側に交付するよう要請した。また、運転者やレンタカーの手配などは、学校から依頼があったとしても、法令で認められた事業者以外は応じないとした。

 両省は確保策と同時に、部活動の遠征などでレンタカーや自家用車を利用する際の、教職員向け「安全管理チェックシート」も作成。シートは事前確認と当日確認の2種類あり、「運転者の免許証や事故歴」「車の定期点検や適切な保険の加入」「運転者の健康状態」などを確認したシートを、管理職に提出するよう提案している。事故を受けて、文科省と国交省は5月下旬に連絡会議を設置。学校関係者や事業者らから意見を聞くなどし、安全確保策を検討してきた。

バス手配経緯 食い違う主張

 バス事故は5月6日、福島県郡山市の磐越自動車道で起きた。遠征先に向かっていた北越高校の男子ソフトテニス部員20人を乗せたマイクロバスがガードレールなどに突っ込み、生徒は1人が死亡、17人が重軽傷を負った。

 県警は、バスを運転した無職の容疑者の男(68)(新潟県胎内市)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で逮捕した。現場には目立ったブレーキ痕はなく、男は調べに、「速度の見極めが甘かった」などと説明。福島地検郡山支部が刑事責任能力を調べるため、5月22日から鑑定留置をしている。

 この事故では、高校側とバスを手配した蒲原鉄道側の主張が食い違っており、手配などの経緯に不透明な点が残っている。