30日にオープンする複合商業施設「ヨドバシ池袋」(29日、東京都豊島区で)

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 家電量販大手ヨドバシホールディングス(HD)は30日、JR山手線など8路線が乗り入れる池袋駅直結のビルに新店舗をオープンする。

 池袋の顔となってきた西武池袋本店のビルは、家電と百貨店の入った新たな複合商業施設として生まれ変わり、駅周辺は家電の激戦区となりそうだ。(中山知香)

駅直結という最高の立地

 セブン&アイHD傘下だった「そごう・西武」が旗艦店としていた建物を全面改装したもので、ヨドバシカメラや、売り場を縮小した西武池袋本店が今後の主力店舗となる。

 新店舗「ヨドバシカメラ マルチメディア池袋」(東京都豊島区)はビルの地下1階〜地上5階に入り、総売り場面積は3万3000平方メートルと関東最大級の店舗となる。

 カメラや美容家電などの体験コーナーを充実させたほか、約3000台のカプセルトイ自販機が並ぶ売り場を設置し、若年層の取り込みも狙う。

 29日に開かれた内覧会で、ヨドバシHDの藤沢和則副社長(ヨドバシカメラ社長)は「池袋駅直結という最高の立地に総力を結集した」と述べ、池袋に新たなにぎわいを作り出す考えだ。

百貨店売り場面積は半分

 セブン&アイは2023年9月、赤字が続いていたそごう・西武を米投資ファンドに売却。西武池袋本店の土地と建物はヨドバシHDが投資ファンドから取得し、改装を進めてきた。

 一連の売却を巡っては、そごう・西武の労働組合が反発し、23年8月には大手百貨店として約60年ぶりにストライキを実施。22年末には当時の豊島区長が「西武池袋本店は池袋の顔であり、街の玄関だ」などと述べ、ヨドバシに対し、高級ブランド店などが店を構える低層部(1〜4階)に「出店はしないでほしい」と発言するなど、大きな騒動となった。

 そごう・西武によると、改装で百貨店の売り場面積はかつての半分程度になる。一部で工事が遅れているものの、順次開業し、今秋から年内の全面開業を目指している。従業員は一部が他の店舗に異動するなどしたが、多くは雇用が継続しているという。

「家電の街に」

 ヨドバシによる池袋への進出は家電量販業界に衝撃を与えた。大型店を構える他社は駅周辺の店舗を拡充して、ヨドバシの動きに対抗する構えだ。

 池袋が創業の地であるビックカメラは昨年11月、本店を含む駅周辺の3店舗を改装。今年3月には駅西口側に新店舗を開業した。ゲームやアニメのキャラクターグッズのコーナーを強化したり、カメラの体験コーナーを設けたりして若年層のさらなる開拓を狙う。中古家電を扱う傘下のソフマップも24年に出店。本社も構える池袋の牙城を守りたい考えだ。

 一方、ヤマダデンキは昨年9月、駅東口側の「LABI池袋本店」を全面改装。家具・インテリアの売り場を、そばにある傘下の大塚家具の店舗に移し、家電の売り場を増床してヨドバシの進出に備えている。

 SMBC日興証券の松尾賢弥シニアアナリストは「ヨドバシの出店は他社にとって脅威だが、家電量販各社が家電の街として池袋を盛り上げ、『第2の秋葉原』となることも期待できる」と話している。