いつまでも元気な体でいたい、という気持ちから、健康増進をうたうサプリメントを気軽に飲む人は少なくない。

 だが、サプリは継続して摂取することが多いため、品質に問題がある場合、健康への悪影響も大きくなる。安全性を高めるルール作りを急ぎたい。

 そもそもサプリとは何かさえ曖昧なまま、政府が製造や販売を許してきたこと自体も問題だ。

 消費者庁は今月、サプリに関する新たな規制案をまとめた。

 これまで法令上の定義がなかったサプリについて、「栄養摂取または生理機能の調節を補助する食品」と定めた。

 加えて、「成分が濃縮されている」「形状が錠剤や粉末剤などで摂取が容易」「過剰摂取の恐れがある」のいずれかに該当する製品をサプリとするという。

 規制案ではまた、薬などの品質を一定に保つため、国際的に使われている「GMP(適正製造規範)」に沿った製造を、サプリのメーカーにも義務づける方針だ。

 今回の見直しは、2024年に小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」成分入りサプリの利用者に健康被害が相次ぎ、調査の結果、製造工程で、有害物質を生成する青カビの混入が確認されたことを受けた対策だ。

 いわゆるサプリには、国が安全性や効果を審査する「特定保健用食品(トクホ)」や、国に届け出たうえでメーカーの責任で効果を表示する「機能性表示食品」など、様々な健康食品がある。

 「紅麹」サプリは機能性表示食品にあたる。問題の発覚後、政府は機能性表示食品とトクホについてはGMPによる製造管理を義務づけた。だが、その他のサプリには対策を講じていなかったため、包括的な規制を検討していた。

 また、東邦大などの研究チームが、主なサプリの利用者に摂取量を尋ねた調査では、メーカーの示している目安の量を超えて飲んでいた人が2割近くに上った。

 成分を過剰に摂取する恐れがあるサプリに、一般的な食品より厳格な管理が求められるのは当然だ。規制を強化し、それが順守されるよう、サプリのメーカーに対する行政の監視体制を整えていくことも欠かせない。

 健康の維持には、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠が基本となる。

 サプリはあくまで補助的なものにすぎず、過剰に飲めば体調を崩しかねない。摂取すればするほど効果が高まると考えるのは誤りで、注意が必要だ。