「こんなに悲しいとは…」大規模火災で家を失った夫婦 それでもこの地にこだわり続ける理由 港町に生きる「地域ネコ」との絆
去年11月に発生した大分市佐賀関の大規模火災。自宅を失いながらも、地域の再建を目指して奔走する夫婦がいます。その原動力となっているが、これまで共に生きてきた「地域ネコ」の存在です。
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「やっぱりつらい」自宅を全焼、解体
2019年に佐賀関に移住した大野正義さんと富子さん夫婦。田中地区に住んでいましたが、去年11月の大規模火災で自宅が全焼しました。再びこの地で暮らそうと、近くの中古住宅を購入してリフォームを進めています。
大野富子さん:
「地域的に田中地区が好きだったし、とりあえずこのあたりに住んでいれば、また元のとおりとはいかないけども、それに近い状態に戻るかなと思っています」
佐賀関では今年1月から公費解体が始まり、今も作業が続いています。火災から半年以上経ち迎えた6月15日。取り壊されたのは、大野さん夫婦の思い出が詰まった我が家でした。
大野正義さん:
「やっぱりつらいですよね、見るのは…こんな悲しいとは思わなかった」
「地域ネコ」保護活動スタート
つらい逆境の中でも、大野さん夫婦がこの地にこだわり続ける理由。それが「地域ネコ」の存在です。2019年に移住した当初は、路地にあふれる糞尿被害に心を痛めていました。そこで大野さん夫婦はネコと共生できる環境を整えようと、地元の有志とともに保護活動を2022年にスタートさせました。
大野正義さん:
「避妊・去勢手術をすると、マーキングしなくなるのを知ったので、じゃあやろうかと。自分らがエサやりをして、ネコを集めて、そこで捕獲して去勢手術に連れていこうと。事情を知らないですよね、みんなはね。『ネコにエサをやるからフンが多いんだ』と言われているのを、ちらほら聞いていました」
ネコ専用のトイレを自宅の庭や空き地に設置。さらには不妊去勢手術を行うなどして佐賀関のネコを取り巻く環境は、徐々に改善していきました。
おおいた動物愛護センター・大隈滋所長(獣医師):
「手術後の面倒についても、ボランティアにしていただいている。ボランティアがいないと成り立たない。エサ代にしてもいろいろお金が必要ですので、苦労されると思っています」
管理費用のためグッズ製作
不妊・去勢手術自体は、おおいた動物愛護センターが無償で行っているものの、それ以外の飼育費用については、すべてボランティアの自己負担です。
佐賀関の場合は、およそ30匹分のエサやトイレの費用などで、1か月あたりおよそ4万円が必要となります。
そこで立ち上がったのが活動をともにするデザイナー・橋本康聖さんです。橋本さんの協力のもと、佐賀関のネコ「関ねこ」をモチーフにしたグッズを今年4月に製作。その収益を地域ネコの管理費用に充てることになりました。
大野富子さん:
「1か月から2か月分のエサ代・医療費などは、確保できるようになってきています。田中地区はネコで復興の人助けになればいいかなと思います」
古くから「大漁を招く」といわれる港町のネコ。佐賀関での共生を目指して大野さん夫婦の奮闘はこれからも続きます。
