動画『生きがいを感じている時、人は別に成長しなくてもいい』で、脳科学者の茂木健一郎氏が“生きがい”に関する自身の考えを語った。茂木氏は、「現代というのは、どんどんどんどん進化するというか、変化することが良しとされてるじゃないですか」と切り出し、常に成長や進化を求められる現代社会の空気について問題提起。「ただ変わらずにいるってことの価値ってあるわけですよ」と強調した。

茂木氏は「何の変化もない、何の進歩もない。何も変わらない。そういうことってすごく大事な気が僕はするんですね」と述べ、自著『生きがい』の海外での反響を紹介しつつ、本質は“日々の繰り返し”や“平穏な日常”にこそあると新たに見直す重要性を説いた。例として、「毎朝コーヒー飲むとか、ワンちゃんを散歩に連れていくとか、それが生きがいだっていうことがあったらそうじゃん。それ、別に進化してないよね。学習もしてないよね。それでいいわけだよね」と語り、日々の何気ないルーティンや同じ行動を反復できることの中に、“生きがい”があることを指摘した。

また、昨今の“生きがい”ブームを海外での流行と重ね、「西洋の方々が自分たちの勝手な解釈……例えば、スタートアップ作って、それでお金をたくさん儲けることが大事だみたいな価値観があるとするじゃない。それに合うものとして生きがいを援用するのは、ちょっと違う話になっちゃうと思う」と述べた。その上で、「生きがいってあくまでも、健やかであること、日々無事であること。それを僕は忘れてはいけないよなと思う」と独自の主張を重ねた。

蝶が飛んでいるのを眺めて「成長はしていないが、それが生きがい」と日常にある小さな発見や繰り返しの価値を茂木氏は例示。「生きがいって安全基地で、成長できたらそれに越したことはないが、成長しなくても別にいい」と締めくくり、「絶対俺は違うと思うんで。静かなものだと思う。小津安二郎の映画のような静かなものだと思います」と語り、動画の最後は「スッキリしました。髪の毛切ってスッキリした」と穏やかなトーンで結んだ。

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