茂木健一郎氏、「入試って不条理なんだよね」と考える受験の課題

脳科学者・茂木健一郎氏が、「受験の『不条理』についてどう考えるか」と題した動画で、受験制度に関する自身の見解を語った。茂木氏は「どんな入試の制度であっても、不条理なもんだと思う」と述べ、受験の選考プロセスに対する懸念を示した。

茂木氏は、日本のペーパーテストによる選抜について「頑張ってその日にいい点数を取ればいい」としつつも、全ての人がその方式に適応できるわけではないとして疑問を投げかけた。一方で、アメリカの大学のようなAO入試においても「途中でポンコツだったやつはなかなか逆転できない」と述べ、どのような制度をとっても不条理は避けられないとの見解を示した。

また、国際バカロレア制度についても言及し、「スコアを揃えていかないと、いい結果にならないってことで、それもなんか息苦しいうよね」と述べ、過去のパフォーマンスが影響することの問題を指摘した。

さらに、茂木氏は「受験生にとっては、うまくいってもいかなくても結局不条理なんだよね」とし、現代においては「学びのプロセス自体はもう開かれていて、ほとんど無料に近い」と述べ、学校に頼らない学びの多様性と可能性を強調した。

動画の締めくくりに茂木氏は、「受験ってどんなものでも不条理だということを前提にいろいろ考えていくのがいいのかな」という自身の考えを述べ、入試制度の中で、あるいはその外での個々の努力と多様な学びの必要性を再認識することを提案した。