不信任案が提出された斎藤兵庫県知事(奥右から4人目)(19日午後、神戸市中央区で)=金沢修撮影

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 兵庫県斎藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題で、県議会(定数86)は19日午後、斎藤知事への不信任決議案を全会一致で可決した。

 斎藤知事は、終始、口を真一文字に結んだ険しい表情で前を見据えていた。

 この日は本会議の開会日で、不信任案は全議員が共同提案した。

 可決後、知事は10日以内に議会を解散しなければ失職し、知事選が行われる。解散した場合は県議選が行われ、改選後の県議会で再び不信任案が可決されれば、知事は即日失職する。

 今後、斎藤知事が県議会の解散を選択すれば、都道府県議会では初となる。斎藤知事はこれまで、「(対応については)可決されてから考える」と述べるにとどめており、議会終了後の発言が注目される。

 不信任決議では、前県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)による内部告発への知事への対応について、「不適切、不十分で、県民の信頼を損なった」と指摘。「これ以上の県政の停滞と混乱は許されるものではなく、来年度予算は新たに信任を得た知事の下で編成されるべきだ」としている。

 斎藤知事は神戸市出身で東大卒。2002年に総務省に入庁し、大阪府財政課長だった21年、県知事選に無所属で立候補。自民党と日本維新の会の推薦を得て、前副知事を破り、初当選を果たした。