大相撲九月場所>◇十二日目◇19日◇東京・両国国技館

 幕下の一番で、激しい取組直後に勝った力士が突然、がく、がくっとフラつきながら土俵下でうずくまり、動けなくなってしまう一幕があった。大熱戦を受け拍手と歓声が響いていた館内が一転して静まり返ると「なんか様子がヘンだ…」とただならぬ様子に驚きと心配、困惑の声が相次いだ。

【映像】一体、どんな様子だった? 実際の取組

 立ち合い、頭から当たった西ノ龍が諸手で突いて出ると、北はり磨も激しく応戦。何度か頭がぶつかるような形で両者は激しい突き合いを展開。すると、北はり磨が左からはたく格好で西ノ龍のバランスを崩そうと試みる。しかしこれに反応した西ノ龍が、逆に北はり磨を右から突き落として土俵に這わせた。

 大熱戦に館内は大盛り上がりとなったが、直後、西ノ龍に異変が。がく、がくっと膝から崩れるように土俵下で片膝をついてうずくまってしまった。思わぬ展開に歓声と拍手が響いていた館内に一転してざわめきが広がる。一度は立ち上がろうとした西ノ龍だが、再び片膝をつくようにして動けなくなった。

 「脳震盪か?」「なんか様子がヘンだ…」「足を痛めた?」などファンが心配と困惑の声をあげる中、呼出や関係者が西ノ龍のもとに駆け寄る。西ノ龍は肩を借りるようにして西方の土俵下に移動して、土俵に足をかけ勝ち名乗りを受けようとするも、ここで西ノ龍の身を案じた審判の親方から「ストップ、ストップ」「(土俵に上がらずに)下からで」と声がかかる。

 西ノ龍が両サイドを救命士と関係者に守られる格好で土俵下に立つと、館内には大きな拍手が。すると、この拍手を聞いた西ノ龍が自ら左足を土俵にかけ、手を左膝について力強く土俵の上へ。「大丈夫?」と親方から再度声がかかったが、西ノ龍は気力を振り絞って土俵の上へ。その様子を見て、行司と北はり磨も土俵上に再び上がって、改めて三者が一礼。正式に西ノ龍が勝ち名乗りを受けると、再び館内に大きな拍手と声援が響き渡った。

 この様子を心配そうに見守っていたABEMAのファンからは「とにかく無事でよかった」「土俵に上がってくれてありがとう」など安堵と感謝の声が。さらには「無理はしないで」といった心配の声も聞かれた。

 勝ち名乗りを受けた西ノ龍は自らの足で土俵を降りると、土俵に向かって一礼。救命士に伴われてゆっくりと花道を下がっていった。(ABEMA/大相撲チャンネル)