食券を店員さんに渡したあと、入り口付近にあったレンゲとお水を自分で配膳します。ラーメンを待つ間、気になるのは「呪文」とも呼ばれるコールの恐ろしさ。ラーメンが提供される前に、自分のお好みを伝える場面なのですが、注意点をアカボシさんに聞いてみました。

「まず、原則、コールできるものはヤサイ、ニンニク、アブラ、それからカラメがあります。カラメはカエシというお醤油のちょっと強い調味料のことです。初めての人は『ニンニク入れますか?』と聞かれたら『そのままで』と言ってください。店員さんの呼びかけを聞き逃さないように待って、それだけを答えれば大丈夫です」

 さらに「そこから先はラーメン二郎とインスパイア系で異なります」と前置きしつつ、こう答えてくれました。

「ラーメン二郎の場合は、『そのままで』と言うとデフォルトの量でラーメンを受け取ることができます。アブラやカエシが追加されていなくて、ヤサイが少しのっているラーメンです。一方、インスパイア系は基本的に二郎と変わらないですが、お店によっては『そのままで』だと、アブラやニンニクがすべてデフォルトで入ることもあります」

◆大げさではなく最後までしっかり美味しかった

 そんなことを話していると、いよいよラーメン提供の場面がきました。「ニンニクどうしますか?」と聞かれ、筆者は「ヤサイ、ニンニク、トウガラシ、アブラ、あぶりブタ」をコールしました。さらにXフォロワー限定のトッピングとして「海苔」を追加しました。

 成蹊前ラーメンでは、ヤサイやニンニク以外に「トウガラシ」、「あぶりブタ」といった独自のコールがありました。またXのフォロワー限定のトッピングも3種あり、今回はそのなかから「海苔」をセレクトしました。

 中ラーメンは200グラムと、かなり量が多く、そして分厚いブタがどーんとのっていました。スープがなみなみに注がれて、アシスタントさんが両手でしっかりどんぶりを持って提供してくれました。

「インスパイア系は店内をよく見回すと、貼り紙や注意書きがされていることが多いです。着席して携帯をいじるのではなく、注意書きをよく読んでから、お好みをコールしてください。もうひとつ、お店によっては『ヤサイ』のコールが、他店舗の『ヤサイマシ』に相当するところもあるんです。初めて行く方はやらないと思いますが、『ヤサイマシマシ』を頼んだら、『ヤサイトリプル』の超大盛が出てくることもあります。マシの量が写真で説明されているお店もあるのでよく見まわしてください」

 なかなか量は多かったですが、大げさではなく最後までしっかり美味しくて、また食べにきたいと思わせる味でした。コールも優しく聞いてもらえるので、これなら初心者でも問題なく注文できるでしょうね。

◆「小より少ない量があるなら、そちらを」

 ちなみに、この日はお店が混んでいなかったのでアカボシさんが食べるところを最後まで見させてもらいましたが、山盛りのラーメンを見事完食していました。その模様はアカボシさんのYouTubeでぜひチェックしてみてください。

 最後にアカボシさんに、注文時の注意点を改めて聞いてみました。

「最近の時代のニーズに合わせて『少なめ』『半分』という注文ができたり、券売機で200グラムや150グラムが表示されているお店も出てきているので、自信がない人や初心者はそれを買うのもいいと思います。初めて二郎に行くときは、スピードで食べなきゃいけなかったり、アブラがズドンと胃袋に溜まったりします。なので、小より少ない量があるなら、そちらを買ってもいいかもしれません」

 そして、回数は少ないものの「食べ慣れてない方と一緒に行ったりしたことはあります」と語ります。

「DMとかで依頼が来て、『ちょっとこのお店行ってみたいんですが、同行してもらってもいいですか?』で一緒に行ったことはあります。そんな時はこのグラム数が多いか少ないかというのを確認したりして、その方が無事に完食できるようにお手伝いさせてもらいます。最近は男性でも少食の方が増えてるので、もし気になるようでしたら、気兼ねなく相談してほしいですね」

<TEXT/シルバー井荻>

【アカボシ】
1987年埼玉県生まれ。吉本興業所属のお笑い芸人。2016年からYouTubeチャンネル「アカボシマシマシTV」で二郎(系)ラーメンの食べ歩き動画を投稿している。X:@urawa_seijin 、Instagram:@akaboshi_mashimashi 、TikTok:@akaboshi_tiktok 、YouTube:「アカボシマシマシTV」

【シルバー井荻】
平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています