野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9~13時)8月21日の放送は、ゲストに現代アメリカ政治外交が専門の上智大学教授・前嶋和弘氏が出演。現在、アメリカ民主党大会開催地のシカゴでデモが起きている話題を取りあげ、1968年の民主党大会で、ベトナム反戦デモと警察が衝突して流血の事態を招いた歴史と比較してコメントした。

野村邦丸(パーソナリティ)「1968年に行われたアメリカの民主党大会で、警官隊に向かって抗議する学生たちが血を流しました」

前嶋和弘「何が起きていたかというと、ベトナム反戦運動なんですね。学生運動の人たちが動いて“世界が見てるぞ!何やってるんだ!アメリカは”と言った。催涙ガスをまかれて、流血の事態となった。68年は大統領選挙に民主党のハンフリー氏が党大会で選ばれたんですけど、学生たちは反戦運動の人を応援していた。“なんでこの人たちじゃないんだ”と怒っていたんですね」

邦丸「一方、今回もアメリカ民主党大会開催地のシカゴでデモが起きています」

前嶋「会場周辺は入れないようになってますけど、イスラエルの過度な攻撃、パレスチナの人々を殺すなという運動をやっているわけです」

邦丸「68年の大統領選はどうだったんですか?」

前嶋「大接戦だったんですよね。共和党は、リチャード・ニクソン。1960年にケネディに負けて、もう2回目はないよねって思われていたんだけど、復活した。復活した時に、“シカゴを見ろ!民主党にやらせたら暴動になってとんでもないじゃないか。ジョンソン、ハンフリー政権なんてとんでもない”と言って、大僅差で勝ったんですね」

邦丸「リチャード・ニクソンが最終的に大統領になった」

前嶋「68年の運動がなかったら、状況は変わっていたかもしれない」

邦丸「へ~、そうなんだ~」

前嶋「だから民主党にとってみれば、トラウマなんですよね。これを起こしちゃいけないから、厳重警戒なんですよ」