「ブラジル映画を日本に広めたい」と話す丹治・エジソン・峰記さん。(撮影:東雲吾衣)

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「ブラジルといえば、サッカー、ボサノバ、サンバ。でも、映像の魅力も知ってほしい」―。ブラジル映画の魅力を知ってもらおうと9月15日から24日まで、東京都千代田区の東京国際フォーラムで「ブラジル映画祭 2006」が開催される。第2次大戦中に共産党員としてブラジルに渡り、後に強制送還されて収容所で死んだというドイツ系ユダヤ人女性の生涯を描いた『オルガ』をはじめ、日本未公開の短編映画11本、長編映画9本が上映される予定だ。

 今年で2回目を迎える同映画祭は、ブラジルへの最初の移民が日本を出航して100周年を迎える2008年を前に開催されるもの。節目の年に向け、ブラジル文化を日本に紹介し、両国の文化交流を深めることを目的としている。会期中の観客動員数は昨年の4倍、8000人ほどを見込んでいる。

 ブラジル映画について「人間を中心に描いた“人間くさい”ドラマが多い」とその魅力について語るのは、同映画祭プロデューサーの丹治・エジソン・峰記さん。CG(コンピューター・グラフィックス)のような派手な手法を使うことなく、人間模様をドラマチックに描き出した秀作ぞろいの今回の映画祭に、丹治さんも自信をにじませる。スポーツ・音楽と並ぶブラジル文化の代表格として「世界でも高い評価を得ているブラジル映画を日本に広めたい」。

 字幕は英語と日本語。ブラジルの都市サンパウロで生活する日系移民のドキュメンタリー『頑張れ』や、13分の短編フィクション『モノの時間』などが上映される。【了】

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