食べログ投稿まさかのゼロ!? なのに予約困難な代官山「TaKe」の人気の秘密、教えます!

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食べログの投稿はまだ無い(2020年12月23日現在)のに、予約困難な人気店「TaKe」。この隠れすぎている隠れ家について、フードパブリシストの高橋綾子さんが紹介してくれました!

#toc_container{display:none!important;}〈今夜の自腹飯〉TaKe|東京・代官山人気の秘密その1:タケさんの家に招かれたような居心地の良さ人気の秘密その2:まかないで培った、確かな舌とアレンジ力が冴える料理人気の秘密その3:メインは火入れが自慢の肉料理人気の秘密その4:コスパ良く、お腹も心も大満足!

〈今夜の自腹飯〉

予算内でおいしいものが食べたい!
食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?

TaKe|東京・代官山


店は通りからまったく見えないところにあり、宣伝もせず雑誌やWEB掲載もほぼ無し。ところが開店後、間も無く予約困難になった「TaKe」。なぜ? どうして? 行った者だけがわかる、その秘密を教えましょう!

人気の秘密その1:タケさんの家に招かれたような居心地の良さ

見つけたときにはちょっとうれしくなります

看板がないとか、隠れ家とか、場所がわかりづらいのは人気店になる理由のひとつではありますが、代官山にある「TaKe」も相当な隠れ具合です。代官山駅北改札口を出て徒歩3分ほどなのに、地図の示す場所にその姿形はどこにも見当たりません。

辺りを見渡すと足元に小さな看板を発見! 矢印の方向はまさかの細い私道で、入って覗いてみてもレストランらしき気配はありません。でも、ここで諦めずに奥まで進むと、ありました! 1軒だけ温かな灯りが点いている店が!

1階はカウンターのみ

場所はわかりづらいのですが、店の中からは“Welcomeモード”が醸し出され、初めてでも入りやすい空気感があります。いざ入ってみるとカウンター8席とスタンディングスペース(現在は6席まで)があり、オーナーシェフのタケさんこと大上武紘さんと奥さまの亜希子さんが笑顔で迎えてくれます。

木製のハイチェアーは座面が広く、ちょうど良い位置に足の置き場があり、腕をおいて疲れないテーブルの高さとのバランスもベスト。オープンキッチンではありますが、調理テーブルは低いのでおいしい匂いと音だけを感じられるのも良いのです。

ゆったり落ち着ける2階の個室

2階は1日1組(2名〜6名)までの個室になっており、記念日などの特別な日やグループに対応しています。

共通して言えるのはとにかく居心地が良いこと。まるでタケさんという友人の家に招かれたような、いつまでも居たくなる、そんな雰囲気なのです。

人気の秘密その2:まかないで培った、確かな舌とアレンジ力が冴える料理

タケさんの人柄が表れる料理にリピーター続出!

店の雰囲気がわかれば次に気になるのは料理でしょう。都内の有名イタリア料理店で修業し、2年間イタリアにも行き、イタリアンひとすじのタケさんの料理をひと言で表現すると“究極のまかない”です。

「いちばん鍛えられたのがまかない担当だった3年間です。2年間は何を作っても言葉をかけてもらえず、3年目で初めておいしいと言っていただき、“こうしたらもっとおいしくなる”というアドバイスまでもらえるようになったときは本当にうれしかったですね。もう、24時間まかないのことを考えていました。毎日食べても飽きないように、食材の扱い方や組み合わせをまた一から勉強し直して、同じ食材でイタリア料理からそうでないものまで何でも作りました」と言うように、タケさんが作るものは“型にはまらないイタリア料理”なのです。そして、それは誰もがハマる魔力を備えています。

「TaKe風から揚げ」ハーフ500円

例えば、予約時に取り置きしてもらわないと食べられないほど人気の「TaKe風から揚げ」。から揚げをイタリア料理店で見かけることはほとんどありませんが、「から揚げが好きなんです。1,000円くらいで出せる前菜を考えていたときに、から揚げをまかないで使っていたイタリアンの調味料で作ったらおもしろいかなと思ったんです」とタケさん。

瀬戸内の魚醤、クミン、にんにく、唐辛子、香味野菜をゆっくり煮込んだタレに鶏肉を漬け込み、片栗粉をまぶしてカラッと揚げたタケさんならではのひと皿です。

「三重県の青柳 プチトマト カラスミのリングイネ」ハーフ1,200円

「良い青柳が入ったので」と、こちらもタケさんのアイデアをイタリアンに昇華させた逸品です。メニューには2人分と記載されていますが、本日はすべてハーフサイズをチョイス。それでもパスタ60gという十分な量です。

でも、もっと少なくも、多くも、できる限り希望に合わせて調整してくれるのがこちらのすごいところ。だから、ひとりで来店してもコース料理かのごとくいろいろ食べられるのです。

“煮込みパスタ“と呼ぶようにパスタをソースとともに煮込んでいます

甘みが出るようにサッと茹でた青柳をタマネギとアサリのだしでゆっくり煮込んで、うまみたっぷりのソースを作っておき、早めに茹で上げたリングイネにニンニクとオリーブオイルで香りづけ。フライパンの中でソースのうまみをパスタにしっかり閉じ込めるように和えています。

人気の秘密その3:メインは火入れが自慢の肉料理

「鴨のロースト」ハーフ1,400円には、トスカーナの赤ワイン「cibreo」グラス800円を!

こちらは、フランス産鴨胸肉をローストしてイギリスの塩「マルドン」とオリーブオイルをかけた、シンプルで贅沢な料理です。添えたのは、180℃に熱したオーブンで1時間以上かけてゆっくり火入れをした、甘みたっぷりの北海道産タマネギ。

上からかけた鶏だしタマネギと乾燥ポルチーニを煮詰めたソースの複雑な妙味は、生涯忘れ得ぬ特別な味わい。鴨にも合います!!

イタリア仕込みの焼き方はパサつかず最後までおいしい

ゆっくりと休ませながら火を入れた鴨は、肉汁が充満してしっとりと焼きあがっています。「休ませすぎてもダメなので、ここが肝です!」と、最高においしいタイミングで提供できるのがカウンター席の良いところ。

口の中で肉汁がジュワ〜っと広がる至福のひとときを召し上がれ!

人気の秘密その4:コスパ良く、お腹も心も大満足!

左から「Barbera d’Asti DOC Storica Alfiero Boffa 2018」「GRIGNOLINO d’Asti Trinchero 2016」「Cappellano Barolo Pie’ Rupestris 2006」

ワインは、タケさんが修業していたイタリアのトリノやアルバのものを中心にセレクトしています。

「飲んでみておいしいと思ったつくり手のワインを、まずはひと通り仕入れてみます。それから料理に合うものを選んでいます」と、タケさん。ハウスワインはドライで飲みやすいことをベースに、タイプの異なる味わいの白と赤を3種類ずつ置いています。グラスは600円〜、ボトルは3,500円〜とワインもリーズナブル!

オリジナルTシャツが可愛い!

メニューは前菜が15〜16種類、パスタが6〜7種類、メインが4〜5種類、そしてデザートが2種類と、タケさん一人でつくっているとは思えぬ豊富さ。もちろんパスタの具材を変えたり、量を変えたり、即興でアレンジが利くのは、まかないで培ったレシピのレパートリーと舌の肥えた重鎮たちを満足させてきた経験からできること。

お腹いっぱい食べて飲んでも7,000〜8,000円という価格に加えて、イタリア料理の原点である家庭料理の延長線上のような個性あふれる料理を、タケさんの家にいるような居心地の良い空間で味わえることが「また来たい!」と思わせる理由なのです。

【本日のお会計】
■食事
・TaKe風から揚げ ハーフ500円
・三重県の青柳 プチトマト カラスミのリングイネ ハーフ1,200円
・鴨のロースト ハーフ1,400円
■ドリンク
・赤ワイン「cibreo」 グラス800円
合計3,900円

※価格はすべて税抜


<店舗情報>
◆TaKe
住所 : 東京都渋谷区代官山町13-6
TEL : 03-6455-2282
営業時間 : 2020/12/18〜2021/1/11は18:00〜22:00(LO21:00)※期間延長の可能性あり 通常18:00〜24:00
定休日 : 不定休

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。
※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。
※本記事は取材日(2020年10月21日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:高橋綾子
撮影:大谷次郎