関空復旧後の論点、関西3空港は訪日外国人客増加とどう向き合うか
アクセス鉄道が再開した18日の晩も、第1ターミナル国際線フロア北側半分は真っ暗。ターミナル南側は店が開いているものの、人はまばらだ。第2ターミナルへのシャトルバスも、心なしか乗客が少ない。発着便が増加するにつれて、少しずつ通常を取り戻している。
4―7月に1日平均4万5000人のインバウンドが国際線を利用した関空。機能停止の長期化は、2020年に4000万人を掲げる国のインバウンド戦略からも見過ごすことができない。田端浩観光庁長官は「訪日をキャンセル、控える動きが見られる」として負の影響を懸念する。
冠水や孤立といった関空の危機に、いち早く対応したのは官邸だった。関係官庁によるタスクフォースを立ち上げて迅速に対策プランをまとめた。7日に発表した石井啓一国土交通相は「政府の総力を挙げて取り組む」との決意を示した。
さらに、関西全体の航空需要に対応するためとして「伊丹、神戸両空港で国内、国際便を受け入れる体制の確保が必要だ」(石井国交相)と発言。地元合意も得られたが、今のところ、両空港に国際線の就航を希望する航空会社は現れていない。
関空、伊丹、神戸の関西3空港は、その成り立ちから地元経済界と自治体による議論を通じて、役割分担の合意を形成してきた。この中で国際線を就航できるのは関空のみだ。
スカイマークの佐山展生会長は「(インバウンドは)ものすごい勢いで伸びている。関西のパイを加速度的に大きくしていかないとあふれだす」との表現で、3空港の“すみ分け”にとどまってきた議論に警鐘を鳴らす。
搭乗率の低さから欧米線の撤退が続いた関空だったが、ここ数年はLCCの就航が相次いで息を吹き返した。引き続き、関西にはアジア各地から新規就航や増便要望が見込まれる。各空港ではなく、関西全体でどう受け入れるか。成長の先を見据えて、災害時の緊急対応も含めた3空港の受け入れ態勢見直しは、不可避となっている。
(文=小林広幸)
