香川か、ゲッツェか 名コンビから「二者択一」へ、“ポジティブ評価”で序列逆転なるか

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ハノーファー戦ではゲッツェは落第点、途中出場の香川は「中盤を鼓舞した」

 ドルトムントの日本代表MF香川真司は、28日に行われた第10節の敵地ハノーファー戦でリーグ戦3試合連続のスタメン落ちとなった。

 途中出場で後半45分間プレーしたものの、退場者を一人出す苦しいゲーム展開で得点に絡むことはできなかった。今季先発出場した公式戦5試合は3得点2アシストを記録している香川との定位置争いをリードしているのが、ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェだ。

 代謝障害で長期離脱した昨季から一転、ペーター・ボス監督の下で信頼を手にしているゲッツェ。香川がベンチスタートとなった直近のリーグ戦3試合はいずれも先発出場を果たし、今季リーグ戦は出場7試合(いずれも先発)で3アシストという成績を残している。

 ゲッツェは2-2の引き分けに終わった21日の第9節フランクフルト戦で、MFマクシミリアン・フィリップのゴールをお膳立てした。それでも、リーグ戦でここ3試合勝利から遠ざかっているチームにおいて、決定的な働きを見せたとは言い難い状況だ。運動量も決して多くはなく、守備面での貢献度は低い。

 ハノーファー戦でもゲッツェが存在感を見せる場面は限られていた。米スポーツ専門テレビ局「ESPN」で公開された番記者のステファン・ブチュコ氏による選手採点では、落第点と言える「5点」。「最近の試合では発信機がついているだけで、ゲッツェのライトがハノーファーで明るく光ることはなかった」と厳しい寸評が付けられている。一方で香川は「6点」が付けられ、「ドルトムントの中盤を鼓舞した」とし、チームの状況が悪いなりにポジティブな働きをしたと評価されていた。

先発時は5試合で3得点2アシスト

 ユルゲン・クロップ監督政権では絶妙なコンビネーションを誇った香川とゲッツェだが、現在では定位置争いで「二者択一」の状況。リーグ戦での起用法を見れば、ボス監督の信頼を得ているのがゲッツェなのは明らかで、香川はその後塵を拝している。

 ボス監督の4-3-3システムでは、香川とゲッツェの同時起用はハノーファー戦のようにビハインドを背負い、どうしても得点が欲しい場面での“緊急オプション”と位置づけられているようだ。今季スタメン時に5試合3得点2アシストと申し分のない活躍を見せている香川はこうした序列を覆し、レギュラーの座を手中に収められるか。ドルトムントの熾烈なポジション争いは今後も注目が集まりそうだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images