まとめ買いや作り置きといったライフスタイルが主流となった昨今、冷蔵庫選びにおいて冷凍庫容量は非常に重視されている。シャープは2014年から“大容量”と“整理整頓しやすい”を兼ね揃える冷凍室「メガフリーザー」を搭載した冷蔵庫を展開。その新モデルが誕生した。おもてなしに使える便利な急凍・急冷モードを備えたほか、雪国で行われる野菜の保存方法を再現し、おいしさと便利を追及した新「プラズマクラスター冷蔵庫」を紹介しよう。

フレンチドアタイプは「SJ-GT55C」(定格内容積551L)と「SJ-GT51C」(定格内容積505L)、「SJ-GT48C」(定格内容積480L)の3機種がラインアップ(2016年9月23日発売予定)。このほか、「どっちもドア」を採用する定格内容積415Lの「SJ-GT42C」も用意されている(2016年10月20日発売予定)

おもてなし機能を搭載した「メガフリーザー」

たっぷり収納できる3段構成のケースと可動する仕切り、大きく透明度の高い氷が作れることがウリのメガフリーザー(冷凍庫)だが、2017年度モデルではおもてなしに役立つ「タイマー冷凍」が搭載された。タイマー冷凍とは、その機能が作用する1室のみ約ー40℃の冷気で30分間冷凍するというもの。突然の来客でグラスが冷えていない時や、もてなす料理がない時に果物を素早く凍らせてフルーツシャーベットにして提供するなど、急を要する際に重宝する。このように説明すると、鮮度を落さず生鮮食品を素早く凍らせる「おいそぎ冷凍」(急冷凍)との違いに疑問を抱く人がいるかもしれない。即冷凍するという点は共通だが、最終目的がまったく別物。おいそぎ冷凍は旨味成分の流出につながる氷結晶を成長させないように一気に凍らせるのに対し、タイマー冷凍は常温から冷凍近辺まで冷やすことを目的としている。

青い囲みの部分が冷凍ゾーン。定格内容積551Lの「SJ-GT55C」では192Lが冷凍室となる

青い囲みの部分が冷凍ゾーン。定格内容積551Lの「SJ-GT55C」では192Lが冷凍室となる

向かって左側2段目にあるのが、「タイマー冷凍」できる部屋

向かって左側2段目にあるのが、「タイマー冷凍」するための部屋

冷蔵庫の中にあるスイッチをONにすると、タイマー冷凍が作動。30分間だけ約ー40℃の急冷をしたたあとブザーが鳴り、普通の冷凍モードに切り替わる

果物を入れてタイマー冷凍すれば、30分でシャーベット状になる

果物を入れてタイマー冷凍すれば、30分でシャーベット状になる

シャーベット状になった果物をジュースやお酒にINしても、おいしい!

シャーベット状になった果物をジュースやお酒にINしても、おいしい!

表面上を少し凍らせると細胞破壊が起こり、味が染み込みやすくなるため、即席漬けやピクルス風サラダもタイマー冷凍を利用すると素早く完成

下段の冷凍室は、3段で引き出せるケースで構成されている。上から深さ約15cm、約6cm、約22cm

下段の冷凍室は、引き出せる3段のケースで構成されている。上から深さ約15cm、約6cm、約22cm

一番上のケースには、可動式の仕切りを装備

一番上のケースには、可動式の仕切りを装備

手前、奥、左右に動かせるので、冷凍したい食材にあわせて仕切りを調整できる。この機構の採用により、収納量は約20%アップ

大きくてクリアな氷が作れるのも、メガフリーザーの人気のひとつ

大きくてクリアな氷が作れるのも、メガフリーザーの人気のひとつ

雪国のおいしい保存方法を採用した野菜室

冷凍室だけでなく野菜室も進化を遂げた。目指したのは、東北地方などで冬場行われている「雪下保存」だ。雪下は低温密閉状態なので鮮度が保ちやすく、さらに野菜が寒さから身を守るためにでんぷんを糖に分解することで甘みが増大する。その仕組みを2017年度モデルでは再現。野菜室を冷凍室で囲むレイアウトで“雪の中”を作り出したのだ。くわえて、野菜室の密閉性を高める「うるおいガード」(フタのようなもの)も新形状に改良。これらの相乗効果により、従来よりも水分保持率が約2.5倍に向上した。

野菜室は真ん中に配置。左側と下に冷凍ゾーンがあり、その冷気を利用する

野菜室は真ん中に配置。左側と下に冷凍ゾーンがあり、その冷気を利用する

上、側面からだけでなく、冷凍庫の冷気が底からも伝わることで、野菜室は冷気で包まれるような状態に。一般的な野菜室が5〜8℃なのに対し、雪下保存を再現した「雪下シャキット野菜室」は約2〜5℃の低温となる

野菜室を閉じるとフタが被るようになっているので、うるおいが外に逃げにくい。野菜を上段、下段のどこに入れても鮮度が長持ちするという

「雪下シャキット野菜室」に入れると甘みが20%増大し、普通の野菜室で保存した野菜よりもシャキシャキとした食感も約27%も高く保持されるそう

7日間保存したレタスとほうれん草を比べると、一般的な野菜室で保存した左側の野菜はしなびたり、変色している

ほかにもある! 便利でイイところ

冷凍庫や野菜室のおいしさ&鮮度保持の工夫のほか、衛生面への配慮や使いやすさにも魅力的なポイントがあるのでお伝えしておこう。まず、1つはプラズマクラスター。人工知能がキッチンの室温と湿度を検知し、冷蔵庫の開閉頻度にあわせてプラズマクラスターを放出して清潔な環境を保つ。そして、もう1つは調味料などを収納するドアポケットの構造だ。多様なカタチの容器に対応できるようになっており、見やすい&出し入れしやすいを実現した。

キッチンの室温や湿度が高くなると雑菌の動きが活発になり、庫内にも侵入しやすい状態となる。ドアの開閉の多さにあわせてプラズマクラスターイオンの放出を適正にコントロールすることで、キレイな庫内をキープ

小さなビン類からマヨネーズやケチャップといった容器まで、見やすく収納できるポケットを装備。斜め配置とすることで、取り出したり戻したりをしやすくしている


>> おもてなしにも役立つ新プラズマクラスター冷蔵庫の「タイマー冷凍」って? の元記事はこちら