強力打線は健在!復調を期待したいエース・高山優希

 やはり大阪桐蔭打線は健在で、上位下位切れ目なく好打者が揃っており、さすがチーム打率は出場校ナンバーワンと思わせる試合だった。低く強く打つ打球を心掛け、土佐の先発・尾崎 玄唱を打ち崩した。尾崎は中々の好投手で130キロ前後の直球、スライダー、シュート、チェンジアップを巧みに投げ分ける投手で、まさに筋の良さを感じる投手だった。そんな好投手相手にも大阪桐蔭打線は打ち崩していく。

 3回裏、吉澤 一翔(3年)が二死一、三塁から適時打を放つ。それにしても吉澤の打撃技術は素晴らしい。トップがしっかりと決まり、さらにインパクトまで無駄のないレベルスイングが実現できていて、さらに膝の使い方も柔らかく、どのコースにも対応できるのが素晴らしい。そして追加点となる適時打を放った古寺 宏輝(3年)も、昨年は打率.548と高打率を残していた選手だが、シンプルな構えをしていて、欠点がすくなく、コンパクトな打撃を展開。一塁手としてあまり注目されていないが、打撃の完成度は非常に素晴らしい。

 その後も大阪桐蔭打線は尾崎を打ち崩していくが、各選手の打撃能力の高さが目についた。6回裏に追加点となる適時打を放った栗林 佑磨も下位に座っているが、昨年は打率.362、2本塁打、17打点を記録している強打の捕手だ。本人は打撃が課題というが、下位打線に座るとは思えないほど強いスイングができる選手で、フォロスルーも大きいので、捉えたときの打球が速い。

 吉澤や三井 健右(3年)、永廣 知紀(3年)、中山 遥斗(3年)といった主力打者が注目されるが、それ以外の選手たちも技量が高く、今後もクローズアップされる可能性はありそうだ。

 エースの高山 優希はまだギアが入っていないのか?140キロ台の速球はほぼなく、130キロ〜135キロの速球を両サイドへ投げ分け、スライダー、フォーク、カーブを織り交ぜながら土佐打線を8回無失点に抑えた。140キロ台後半の速球を投げ込む触れ込みがある投手なだけに物足りなさを実感するかもしれない。次の木更津総合戦でトップギアに入るのか。そこが大きな注目ポイントといえる。2番手の徳山 壮磨も135キロ前後とまだ完全に仕上がっていない様子。

 打撃面では盤石の強さを見せた大阪桐蔭だが、投手陣が次の試合へ向けて状態を仕上げることができるかが注目ポイント。高山が調子をピークに持っていき、打者を圧倒できるまでの調子に取り戻したとき、大阪桐蔭は再び全国制覇を狙えるチームとなっていくだろう。

 

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