中部大学第一高等学校(愛知)

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 愛知県日進市にある中部大一は、1939年に開校した歴史のある伝統校です。2003年に名古屋第一高等学校から現校名に変更されました。中部大一といえば、部活動が盛んで、特に実績を挙げているのは男子バスケットボール部です。昨夏のインターハイでベスト16、昨年末に行われたJX-ENEOS WINTERCUP2015では4位入りするなど全国レベルを誇ります。

 野球部も昨春、愛知県大会で優勝し、東海大会出場を果たした強豪です。同校OBは中国出身で、埼玉西武ライオンズに在籍していた朱 大衛選手、さらに中日ドラゴンズのセットアッパーとして活躍し、昨季64試合登板の田島 慎二選手がいます。今年も春季県大会優勝、さらには甲子園出場を目指して、どんな思いで臨んでいるのでしょうか?

チーム基本情報を紹介!

■中部大一高校の中川 颯元君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!

立野 和明選手と中川 颯元選手(中部大学第一高等学校)

Q. 現在、部員は何人いますか?

 1年生48人、2年生25人の合計73人です。1年生がたくさん入ってきてくれたんです!

Q. 73人とは多いですね!この人数だとキャプテンとしてチームを見渡していくのは大変だと思うのですが、何か工夫されていることはありますか?

 なるべく周りを見るようにしているのですが、どうしても見えない部分があります。その時は、仲間に協力してもらって、チーム全体を見ているようにしています。

 チームみんなで協力していくことは大切ですね!

[page_break:今年のチームについて]今年のチームについて

Q. グラウンド環境を見ると、野球部専用のグラウンドがあって、思う存分練習ができていることが分かりました!それでは、今年のチームのウリを教えてください。

「スピード」と「守備」をウリにしていきたいと思っています。これは課題でもあるのですが、僕たちは去年のチームと比べると打てないので、打てないならば走塁をウリにしていかなければならないと考えています。

Q. 自分たちの強みを見出しているところなんですね。このオフシーズンで、チームとして「これは達成したい!」という目標はありますか?

 それは全員が一緒に同じ方向を向いてくれることですね。

Q. 部員73名がしっかりとまとまりを持てるように取り組んでいるのですね!そんな野球部の名物練習は何かありますか?

 毎週金曜日は「追い込みの日」といってランメニューをやるのですが、自分の足がつって歩けなくなるぐらいきついんですよ…。

 足がつるくらい追い込みをするんですね…。一度様子を見て見たいです!

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?また、秋に見つかったチームの課題としてはどんなことがありましたか?

 敗れた至学館との試合では、序盤は相手にリードを許していたんですが、終盤に逆転したんです。でも、最終回に逆転サヨナラで負けてしまい、非常に悔しい思いをしました。その後、何が足りないのかを選手たちで話し合いました。話し合った結果、足りないと感じたことは「集中力」だという結論に至って、たまに練習の中に「座禅」を組むんですが、そこで集中力を養う練習をしています。

Q. 座禅も練習に取り入れているんですね。座禅を選んだ理由などは何かあったのですか?

 座禅は僕たちがやろうと決めていたわけではなくて、集中力が足りないのが課題だと指導者の方に話をしたら、「座禅をやってみたらどうだ」とアドバイスをもらい、実行することにしました。じっとしている状態で座禅を組むのはすごく難しいですね。僕たちはグラウンドで動き回って、動き回りながら集中するのですが、座禅のようにじっとしながら集中することは違う集中力が求められて、結構苦しいです。でもこれを乗り越えることで集中力もついてくるのではないかと思います。

Q. ではこの春、そして夏の目標をお聞かせください!

 春は県大会連覇。そして夏は甲子園に絶対に行きます!

Q. ありがとうございます!では、このチームのキーマンを教えてください。

 エースの立野 和明です。本当に抑えてほしいところで抑えてくれますし、打者として打ってほしいところで点をとってくれて、つらいところで守ってくれます。まさにチームの大黒柱です。

稲田 大輔選手(中部大学第一高等学校)

Q. 続いてチームの中で、この春キーマンになってくれるであろう選手を教えてください。

 稲田 大輔と今井 健輔です。稲田はストイックに取り組む選手で、春に期待しています。そして今井は試合で本当に活躍してくれます。今はケガをしてメンバーを外れているのですが、そんな時でも僕に声をかけてくれますし、本当に頼もしいです。あとはやっぱり立野ですね。ちなみに今井は、三重高校のエースだった今井 重太朗選手(中部大)の弟です!

今井 健輔選手(中部大学第一高等学校)

Q. 彼らはどんな活躍を見せてくれると思いますか?またどんな活躍を期待したいと思いますか?

 稲田は足が非常に速くて、打撃もパンチ力がある外野手です。今井は長打力がある選手なので、復帰したらどんどん打ってほしいです。立野はこれからもエースとして活躍を見せてほしいです。

 ありがとうございます。稲田選手と今井選手と立野選手に注目していきたいと思います!

Q. 2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンですが、春に向けて、どんな冬にしたいですか?

 やっぱり73人が同じ方向を向くように信頼関係を築きたいと思います。1人でも別の方向に向くとバラバラになってしまいますし、愛知を代表する私学4強(享栄、愛工大名電、東邦、中京大中京)に勝とうと思ったら、全員の気持ちを1つにして、戦っていかないと勝てません。

[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

 ここからは、中川 颯元主将がキーマンとして挙げていたエース・立野 和明君にお話を伺います!

左から今井 健輔選手、村山 坆太選手、稲田 大輔選手、近藤 生麻選手、立野 和明選手(中部大学第一高等学校)

Q. 高校野球が好きな理由を教えてください。

立野 和明(以下「立野」):小学校から高校野球、甲子園というものに憧れています!

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

立野:今まで以上に自分を追い込んで、春、夏と結果が出るようにしていきたいです。

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

立野:「感謝」です!

Q. それでは最後に「自分はここまで成長するぞ!」という熱い宣言と夏までの目標をお願いします。

立野:昨秋は9回になって打たれることが多くあったので、スタミナ面の強化と、周りを見ることができるようになりたいですね。そしてこの夏、甲子園出場を目指していきます!

 熱い宣言をありがとうございます!立野君、お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

指導者が語る!このチームの強み

■佐藤 吉哉監督に質問!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマをもってチームを作り上げてきたのでしょうか?

 秋季大会の至学館戦で5対6で敗れて、選手たちが話しあったのか、意識が変わったと感じます。また競争意識を持たせるために秋季大会後の練習試合でも、レギュラーを固定させず1年生を起用したことで、競争心が芽生え、だんだん意識が高まってきました。ですので、この時期はとても充実した練習ができていると思います。

Q. それは頼もしいですね!今年のチームは昨春東海大会に出場した前チームと比べるといかがでしょうか。

 昨年はメンバーのほとんどが3年生だったので、だいぶ入れ替わってしまいましたが、能力的なものは今年の代の方が上だと思います。違いがあるとすれば、投手力。前チームには東海大会へと導いた長島 彰、長島 啓太の双子コンビがいました。ただ今年はエースの立野がだんだん伸びてきており、秋が終わって、球速も速くなりましたし、エースとして自覚が出てきたので、チームとしてかなり伸びていくと思います。

Q. チームが入れ替わっている中でもチーム力を維持できているのは、73人をまとめる主将の中川くんの力が大きいのではないでしょうか?

 そうですね。最初はあまりまとまりがなかったので、大変な部分があったと思います。それでも中川がチーム全体を見て、しっかりと引っ張ってくれているからまとまりが出てきたと思います。

Q. 激戦地区である愛知県を勝ち抜くには、そういった選手たちの自覚がより求められるように感じますね。

 本当にそうだと思います。そういう意味で、この冬は選手たちが自覚を持って練習に取り組んで、さらに成長してくれることに期待したいです。

 佐藤監督、選手の皆様、ありがとうございました!選手たちが自覚して取り組んでいる様子が伝わってきました。中部大一野球部の活躍を楽しみにしています!