中国メーカーが生産する中国自主ブランド車の品質が過去に比べて向上しているという。過去があまりに酷すぎたというのもあるだろうが、中国自主ブランド車が中国自動車市場で販売台数を伸ばしている事実から見ても、中国人消費者が自主ブランド車を受け入れ始めているのは事実だろう。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メーカーが生産する中国自主ブランド車の品質が過去に比べて向上しているという。過去があまりに酷すぎたというのもあるだろうが、自主ブランド車が中国自動車市場で販売台数を伸ばしている事実から見ても、中国人消費者が自主ブランド車を受け入れ始めているのは事実だろう。

 中国メディアの捜狐は3日、自主ブランド車の品質は具体的にどのように向上したのか、韓国車と比較しながら分析する記事を掲載し、「中国自主ブランド車の実力は韓国車に迫りつつある」と論じた。

 記事はまずボディーのデザインについて、自主ブランド車はかつては模倣一辺倒だったと認める一方、5年ほど前から独自のデザインを追求し始めた結果、合併メーカーの車種にも劣らないレベルにまで向上したと主張。もはや一部の自主ブランド車のデザインは「韓国車には圧勝するほど」優れていると主張した。

 続いて技術について、他国の自動車メーカーに比べて社歴が短い後発組の中国メーカーにとって技術力の低さは最大の欠点だったと指摘。自然吸気エンジンやトランスミッションの技術力についてはまだ韓国車に完敗だとしたものの、ターボエンジンに関する技術においては韓国車を上回ると主張し、技術力においても韓国メーカーを追い上げていると主張した。

 では品質はどうか。10年ほど前であれば、中国自主ブランド車と韓国車を比較するのは「以卵撃石」、つまり卵で石を打つような「自滅行為」だったが、品質の差も現在ではかなり縮まってきているようだ。だが、韓国車の品質も高いため、中国自主ブランド車が追いつくのはそう簡単なことではないと言えるだろう。

 中国自主ブランド車のブランドイメージはどうだろう。大都市において大きな差はないが地方都市では韓国車に明らかに軍配が上がると記事は分析、少なくとも5年は追い付けないと主張している。メンツを愛する中国人にとってブランドは非常に重要な要素だ。特に自動車は中国人にとって単なる交通手段ではなく、自分の社会的地位を示すツールでもある。中国自主ブランド車がブランドイメージで韓国車を上回るには、品質、技術力、デザインのすべてで韓国車を上回る必要があると言えるだろう。

 現段階で、中国自主ブランド車が韓国車を上回る明確な強みといえば「価格」だ。自主ブランド車が7万元(約127万円)前後で購入できるとすれば、韓国車は10万元(182万円)前後と4割ほど高い。2015年、中国自動車市場の成長は鈍化し、各メーカーが価格競争を繰り広げたが、そのとき最大の犠牲者になったのは韓国車だった。韓国車の割安感やコストパフォーマンスの高さが相対的に薄れてしまったためだ。この点、中国車の「低価格」は生き残りのための大きな武器になっていると言える。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)