3月5日に行われるニュージーランド戦に向けた日本代表メンバーが発表された。この試合は今年に入って初めての代表戦であり、W杯までに国内で行う試合のうちの1試合だ。貴重な機会であるのは間違いない。

そのはずだが、ニュージーランドはお世辞にも強化に相応しい相手とはいえず、この試合自体も「ありがとう国立競技場」と銘打たれている。改築が決まっている国立競技場での最後の日本代表戦であることを煽るもので、なんというか、W杯に向けたテストマッチというより、興行的なメモリアルマッチの色合いが濃いね。さぞチケットは売れたのだろうが、それでいいのかな。

発表されたメンバー表を見て、またかと思った人も多いだろう。ケガの内田篤人と長谷部誠が外れただけで、まったく代わり映えのしない選出だね。記者会見なんてやらずにFAXでいいよね。サッカーファンの誰もが、スタメンを言い当てることができるんじゃないかな。それはW杯で対戦する相手も同じだと思うのだけど、それでいいのかな。W杯に向けて誰かを試す、あるいは戦術的なオプションを探すといった気概がまったく感じられないね。

先日、ザッケローニ監督は川崎のACL初戦を見に等々力競技場に視察に出かけているけど、果たして何のために行っているのだろうか。昨シーズンのJリーグ得点王のコンディションを見に行った? 何のために? なんだか、視察はただのポーズなんじゃないかと思ってしまうよ。
 
W杯メンバーは、5月27日のキプロス代表戦の前に発表されるだろう。その前の限られた1試合が、このニュージーランド戦だ。今回のメンバー発表を見ると、ザッケローニ監督の中でW杯に連れて行く選手は90%、いや99%確定しているということだ。ケガでもしなければ入れ替わりはない。
 
現地で試合に出ていようがいまいが、帰ってきた海外組がメディアによってもてはやされ、アナウンサーがありがとう国立、さよなら国立を連呼し、歯ごたえのない相手と試合をする。W杯本大会まであと3ヶ月。あと3回くらい国立で試合をしたい気分だよ。