文化や教育に関する情報を提供する米国のブログ「papyrusnews」では、東日本大震災を体験し、現在も東京に滞在している米国人男性が、この経験を通して日本人や日本をより深く理解できたとつづっている。

 筆者は、3月11日の大地震の影響は誰もが想像したよりはるかに厳しいものだったと語っている。死者・行方不明者は2万9000人を上回るとみられるとし、米国での最近の悲劇では、2001年9月11日に起こった同時多発テロ事件と、2005年に米南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの総犠牲者数は5000人未満だったと述べている。

 東日本大震災は確かに第二次世界大戦以降で、最もひどく信じられないような日本の大惨事だとし、その上福島第一原子力発電所の問題が進行中だと懸念を示している。

 原発の作業員らは過度の放射線を浴び苦しんでおり、原発付近の住人たちも同様に危険にさらされ、多くの人は強制的に移転させられたと筆者は語る。原発による放射能汚染の影響で、付近の農家は農場を失い生計を立てることができなくなったとつづっている。

 筆者は、原発は幅広く影響し、東京では計画停電が実施され、暑い夏や寒い冬にも電力が制限される可能性があるとしながらも、東京での生活は徐々に平常に戻ってきたとの見方を示している。

 余震は減り、空気中と水から検出された放射性物質の濃度は正常な範囲となってきたと語る。依然として福島からの牛乳や野菜の輸出は制限されているが、スーパーでは通常一人一本限りの牛乳しか買えないが、必要とする食品を購入することができるようになった、と状況を説明している。

 都市から離れて疎開(そかい)していた人たちも着実に帰ってき始め、学校や仕事場の人数は増加していると語っている。もともと6月に帰国予定だった筆者は、早く帰ることも考えたが、結局余震もおさまり、放射性物質の数値も平常に戻り、急いで帰国する必要がなくなったとつづっている。

 筆者は日本での経験はすべてが素晴らしく、目を見張ることばかりだったと日本での滞在を振り返る。特に地震後の数週間は、人々のさまざまな出来事について知るたびに驚かされ、多くのことを学び、日本文化をより深く理解できたと思うと語っている。

 筆者は、日本人に備わった「静かな強さ」についてもっと学びたいと思ったという。そして日本人がこの国を再建するのを見届けたいと締めくくっている。(編集担当:田島波留・山口幸治)



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