芸術家のGuo O Dong氏が、世界で最も危険なマルウェア6つに感染したノートPCに「The Persistence of Chaos」と名付け、芸術作品として100万ドル(約1億1000万円)以上の価格で販売しています。販売されているノートPCは「Wi-Fiに接続したりUSBメモリーを接続したりしない限りは安全」とのことです。

The Persistence Of Chaos

https://thepersistenceofchaos.com/

A laptop filled with six of the world’s most dangerous viruses is on sale for more than $1 million - The Verge

https://www.theverge.com/2019/5/25/18638308/laptop-viruses-malware-auction-persistence-of-chaos-guo-o-dong



ニュースサイト・The VergeのGuo O Dong氏へのインタビューによると、ノートPCにマルウェアを詰め込んだ理由は「デジタル世界に存在する抽象的な脅威を物理的なものにすること」にあったそうです。

Guo O Dong氏は「コンピューターで起こること(マルウェアの感染)を実際に我々に影響を及ぼすことのないものとして形にするというこの奇抜な思い付きは、馬鹿げたことです」「電力網や公共インフラに影響を与える武器化されたウイルスは、直接的な被害を引き起こす可能性があります」と語り、現代社会において大きな脅威となっている「マルウェア」を、実害のない形で芸術作品としたとしています。

これが「The Persistence of Chaos」。使用されているのは2008年製のSamsungノートPC「NC10-14GB」で、搭載しているOSはWindows XP SP3です。



同ノートPCが感染しているマルウェアは、2000年に発見された自己増殖を繰り返しながら世界中で猛威を振るったワーム「ILOVEYOU」や、ウイルスをメールの添付ファイルで送ってくる「MyDoom」、2003年に登場したメール経由でデバイスに侵入して感染したコンピューターから別端末にメッセージを送信することができる「SoBig」、2013年メキシコを中心に猛威を振るった金融系マルウェアの「Dark Tequila」のほか……

2015年に電力会社へのサイバー攻撃に用いられたマルウェアの「BlackEnergy」

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PC内のファイルを暗号化してユーザーがアクセスできないようにし、データを人質に身代金を要求するランサムウェアの「WannaCry」というの6つ。これら6つのマルウェアは、世界中で合計950億ドル(約10兆円)もの金銭的被害をもたらしています。

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「The Persistence of Chaos」は記事作成時点ではTwitch上で動作している様子が配信されています。

PersistenceChaos - Twitch

Guo O Dong氏は、特にWannaCryはデジタル攻撃が物理的にどのような害を及ぼすのかを示していると指摘しており、「WannaCryはイギリスの国民保健サービスに推定1億ドル(約110億円)相当の損害をもたらし、何万件もの診療予約がキャンセルされました」「これが重大な人的被害を引き起こしたといっても過言ではなく、個別の患者が被った被害を正確に特定するのは難しいレベルです」と語っています。

なお、Guo O Dong氏が作成した「The Persistence of Chaos」は、記事作成時点ではインターネットオークションにかけられています。記事作成時点では120万ドル(約1億3000万円)で入札されており、入札期限は2019年5月27日18時頃です。