PK戦制したシティがペップ新体制初勝利! 途中出場香川は1AにPK成功《ICC2016》
▽一方、25日に開催予定だったマンチェスター・ユナイテッド戦が豪雨によるピッチコンディションの悪化で中止となったシティは、奇しくもこの最終戦が初戦となった。この一戦に向けてグアルディオラ監督は[3-4-1-2]のシステムを採用。GKにカバジェロ、最終ラインはアダラビオヨ、オタメンディ、コラロフ。中盤は左右のウイングバックにヘスス・ナバスとクリシ、フェルナンドとフェルナンジーニョのブラジル人コンビがボランチに入り、トップ下にデルフを起用。そして、イヘアナチョと新戦力のウクライナ代表MFジンチェンコが2トップを組んだ。
▽劣悪なピッチの影響で足を滑らす選手が目立つ中、立ち上がりは積極的に前からプレッシャーをかけるドルトムントが、GKカバジェロや最終ラインのキックミスを誘ってショートカウンターを仕掛けていく。開始5分にデンベレが際どいシュートを放つが、ここはDFの好ブロックに阻まれる。さらにエムレ・モルやデンベレが積極的にシュートを狙って行くが、いずれも枠を捉え切れない。
▽一方、グアルディオラ監督のチームらしからぬ、ビルドアップのミスが目立つシティだが、前線と中盤を行き来するフリーマンのデルフを起点にバイタルエリアを攻略していく。10分にデルフ、12分にイヘアナチョと際どいシュートを放つが、こちらも枠に飛ばない。
▽その後は互いにミスが目立つものの、徐々に拮抗した展開に。前半終了間際にはボックス右でフェルナンジーニョが入れたクロスを、ゴール前のイヘアナチョがシュートに持ち込むが、ここはGKビュルキの果敢な飛び出しに阻まれ、前半はゴールレスで終了した。
▽迎えた後半、ドルトムントは香川やカストロ、スベン・ベンダーら主力を含む6人を頭から投入。この交代で1トップのアドリアン・ラモスの下に入る2列目は、右からプリシッチ、香川、カストロという並びになった。
▽対してシティは、8人を入れ替えてアグエロやヤヤ・トゥーレ、シルバら主力が投入された。そして、この交代で3トップにシルバ、アグエロ、ボニーが入る[4-3-3]に布陣を変更した。
▽多くのメンバーが変わった影響で後半の立ち上がりも拮抗した展開が続く。その中でシステム変更と主力投入で流れを掴んだシティは、62分にボックス手前のボニーがミドルシュート、64分にもアグエロがシュートを狙って行く。
▽一方、香川とカストロを起点にチャンスを窺うドルトムントは、76分にゴール前に抜け出したカストロがGKと一対一を迎えるが、ここは若手GKガンの果敢な飛び出しに阻まれる。さらに77分にはボックス左で巧みなターンを見せた香川が際どいクロスでチャンスを創出した。
▽互いに決め切れない状況が続く中、シティのホットラインがスコアを動かす。79分、味方とのパス交換で完璧にボックス左に抜け出したシルバが、ゴール前でフリーのアグエロにプレゼントパス。これをエースが難なく流し込んだ。
▽先制を許したドルトムントは、試合終盤にかけて香川を起点に猛攻を見せる。91分にはボックス内で仕掛けた香川がDFフェルナンジーニョに足をかけられるが、主審はまさかのノーファウルの判定。それでも、諦めないドルトムントはラストプレーの左CKの場面で、ボックス左ライン際で香川が丁寧に折り返したボールをプリシッチが右足で蹴り込み、土壇場で同点に追いつき、試合はこのままタイムアップ。
▽その後、行われたPK戦では互いに1人目が両GKの好守に阻まれるも、2人目のフェルナンジーニョと香川が続けて決めると、ここから7人目まで成功が続く。7人目では先攻のシティのスターリングが失敗するも、ドルムントの若手MFラーセンもお付き合い。そして、白熱のPK戦は8人目でようやく決着。先攻のシティのアンジェリーノが決めたのに対して、ドルトムントはメリノが失敗し、勝負あり。PK戦を制したシティが、ペップ新体制で初勝利を手にした。
▽なお、ICC中国ラウンドでは、先日のマンチェスター・シティvsマンチェスター・ユナイテッドが中止となった関係で、優勝チームを決めないことになっている。
