NASAが公開した8/24の中規模太陽フレア(画像はYouTubeのサムネイル)

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今年も「太陽フレア(太陽面爆発)」の当たり年なのであろうか。このほど太陽の表面で大規模なフィラメント噴出があったことが伝えられ、衝撃波が地球におよぼす影響について改めて危惧する声があがっている。

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先月から米航空宇宙局(NASA)の太陽観測において、太陽フレアに関する緊張感がますます高まっている。フレアが起きれば必ず発生するのが衝撃波。規模にもよるが太陽嵐〜太陽風となって何日か遅れて地球に到来するものがあり注意が必要となる。事実、先月下旬から最近にない磁気嵐の強い乱れが世界各地で観測されており、太陽にはさらに大きなフレアを起こすエネルギーがありそうだ、などと報じられていた。

中でもNASAが、“Late Summer M5 Solar Flare”というタイトルでYouTubeに投稿した動画が話題を呼んでいる(画像はそのサムネイル)。太陽観測衛星「SDO(Solar Dynamics Observatory)」が24日、M5と中規模クラス(A→B→C→M→Xの順で規模が上がる)のフレア、つまりフィラメントの噴出を捉えたというのだ。専門家らは、発生箇所が太陽の中央部であることから、太陽風が地球におよぶ可能性は無きにしも非ずだとみている。

ちなみに強烈なフレアが地球におよぼす影響については、オーロラの出現や地震の活動が活発になることや、フライト中の飛行機が数千マイクロシーベルトもの放射線を浴びてしまうことの危険性、また各種衛星や電子機器が麻痺することなどが指摘され、太陽嵐が地球をかすめるだけでなく直撃したら「ひとたまりもない」と専門家らは語っている。

太陽の活動はおよそ11年周期で活発になるといわれ、観測史上最大のX28レベルのフレアがあったのは今から11年前の2003年11月のことであった。もっとも2012年7月に地球をかすめ去った太陽嵐について、NASAは「過去最強のレベルであった」と発表。地球が滅びる可能性すらあったことが大きく報じられた。

(TechinsightJapan編集部 Joy横手)