みなさま、ごきげんいかがですか?

バロンドール(黄金のボール賞=世界最優秀選手)など2012年度の表彰が
発表になりましたが、メッシキモチイイw、失礼、メッシ選手、すごいです
ねえ。4回目の受賞というだけでも史上初なのに、4年連続の受賞。しかも
まだ25歳(CMでもおなじみ)。年間91ゴールの新記録つき。記録はさら
に伸びる可能性があります。

こうなると、ここ4年間、メッシのおかげで(?)受賞を逃してきたC・ロナ
ウドや、チームメイトのチャビ、イニエスタらが少し気の毒になる。レオ
くんは「黄金のボール」トロフィーがもう4つもあるのだから、チャビと
イニエスタにも1つずつあげたらどうか(笑)。

(アルゼンチン代表主将として投票権のあるメッシは、1位にイニエスタ、
2位にチャビ、3位にアグエロと書いたそうです。わかってるね!)

女子の部はアメリカのワンバック選手。ロンドン五輪のMVPだから文句な
しでしょうね。最優秀監督は男子がデルボスケ、女子がスンドハーゲ。選手
と同じくスペインとアメリカが賞を独占しました。なでしこの佐々木則夫監
督については、2年連続はむずかしいのではと思っていましたが、得票率で
は意外に接戦で(23.83%対28.59%)、指導力は世界から高く評価されて
いることがしめされました。

##

さて、2012年の世界がメッシの年であったなら、2012年のボスニアは誰の
年だったのか? 世界的に著名なボスニアのベテランジャーナリストは、
「2012年はオシムの年だった」(イヤー・オブ・オシム)いう論評を書いて
います。しかも、それはスポーツ界に限った話ではなく、政治経済含めての
評価なのだといいます。政治指導者たちは民族対立をやめ、オシムを見習う
べきだと、そのジャーナリストは主張しています。

記事を書いたのは、ボスニア戦争まっただ中の1992年に「世界最優秀新聞」
の表彰を受けたサラエボの「オスロボジェーニェ(解放の意味)」の当時の
編集長で、現在は「メディアの自由研究所」などを主宰して活躍している
ケマル・クルスパヒッチ氏(66歳)。12月末に1年の回顧としてラジオ・フ
リー・ヨーロッパとそのウェブサイトに「私の視点から・2012年はイヤー・
オブ・オシムだった」として、政治経済・民族問題半分、スポーツ(サッカー)
半分の記事を掲載。

「私の視点から・2012年はイヤー・オブ・オシムだった」
ケマル・クルスパヒッチ

毎年12月になると、年間の収支決算を考えながら、あれこれと1年のできごと
をふりかえるが、スポーツ界をのぞいてはろくな事件がなかった。まあ、それ
も悪くはない。世界の各国と同様、ボスニアにおいても、サッカーは人々の
最大の関心事のひとつなのだから、といいます。

そのサッカー界の最大の出来事は、ボスニア代表が好調で、2014年ブラジル
大会にむけたワールドカップ予選を首位で折り返したこと、しかも同組には
元欧州チャンピオンのギリシャなど強豪がいるのをおさえての首位である。
このほか、ジェコ(マンCで優勝)やイビシェビッチ(シュトゥッツガルト)、
ベゴビッチ(ストークのGK)、ピヤニッチ(ローマ)などが活躍した。

しかし、その中でも特筆すべきなのは、もっとも困難な仕事を引き受け、もっ
とも成功したイビツァ・オシムだろう。かれはFIFAからの資格停止という
ボスニア・サッカー連盟の危機(そのままでは国際大会出場禁止になる)から
処分を解除させ、ボスニアのサッカー界全体を救った。それだけでなく、
ボスニアの多民族で構成される組織でも、話し合いと民主的な選挙を経て、
1人の会長が4年間の任期をつとめる(欧米の民主国家では当たり前の原則