いろんなことを言う米ゴルフ界
たとえば、いくつかゴルフ本も出版している米国の某ゴルフライターは、テレビに登場し、こんなことを言った。「タイガーはプレーヤーズ選手権に出てくれと米PGAツアーから強いられ、仕方なく出た。不倫スキャンダルの際、記者会見を開いたり、あれこれ世話になった米ツアーから出場を強いられたから、米ツアーの要請に応えて出たんだ」、と。
とはいえ、そんな裏取引はあるはずがなく、まともな米メディアは最初から取り合わなかったのだが、放送を見た視聴者があちらこちらのメディアに問い合わせてきて、そうした問い合わせに対応する形で、まともなメディアもこの一件を何かしら扱う展開になっていった。
「タイガーに出場を強制した」と言われた米ツアーは、もちろん怒り心頭に達し、ティム・フィンチェム会長は即座にライターの発言を否定するコメントを出した。「出場はあくまでもタイガー自身が決めたこと。タイガーは勝てると感じたときしか試合に出場しない。今週、タイガーが練習場で打っているところを火曜日に見た。彼は水曜日はハードに練習していた。そして木曜の初日に挑んだ。ツアー側が強いたなんてこと、あるはずがない」。
タイガー番記者たちは「そんなことあるはずない。でも、まあ、メディアの中にも、いろんなことを言うヤツがいるからね。だからタイガーは誰の言うことも信じないんだけどね」
そう言えば、タイガーの棄権に関して感想を問われた親友のマーク・オメーラは、大会前夜にタイガーと一緒に食事したときの話を引き合いに出し、こんなことを言った。「タイガーは滅多に自分から勘定を払わないんだけど、昨夜は自分からチェックを取って払った。それぐらい機嫌が良かった」。だから出場を焦ったり、イライラしたりしているようには見えなかった、と。
その翌々日。オメーラの話を聞いたメディアの中の数人が、今度はこんなことを言い出した。「しかし、まあ、勘定を払わないナンバー1は、タイガーではなくオメーラのほうだよ。それなのにタイガーだけがケチみたいな言い方しちゃってさ」。
いやいや、世の中、本当にいろんなことを言う人がいるもんだ。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)