ただ、ただ散歩をしているだけの映画って?
「まんが日本昔ばなし」のシナリオライターとして1400本近くの脚本を手掛ける傍ら、『ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ モダン夫婦生活讀本』(69)や『一万年、後....。』(07)など、カルト作の監督も務める奇才・沖島勲。そんな沖島監督の最新作『怒る西行』が2010年1月9日(土)よりポレポレ東中野で公開となるのだが、その劇中には“監督の歩く姿”しか出てこないという。
『一万年、後....。』などを手掛ける沖島勲監督が、本作では監督と主演を兼任
とは言っても、そこは大学で教鞭を振るったこともある沖島監督。決して奇をてらった訳でなく、あくまでも若い映画人のことを考えた上で、表現の基本や、その欲求の根源となるものを映像で残そうという考えから、本作の撮影に踏み切ったのだとか。
だが、そんな堅いテーマとは相反して、劇中に流れる映像は実に緩やか。監督が40年近く暮らしている井の頭線・久我山駅の近辺から井の頭公園へと続く道を歩きながら、時代と共に変わっていく風景や、小説家の村上春樹やグラフィック・デザイナーの横尾忠則といった敬愛するアーティストたちへの思いを語る姿が淡々と映し出されていく。さらに監督の思いは膨らんでいき、ついには西行法師や画家のボッティチェリといった、はるか昔の人物にまで話は広がっていく。
本作は決して、はっきりとした口調で何かを訴え掛ける作品ではないものの、観終わるころにはきっと散歩に行きたくなっていること間違いなし…のはずだ。【トライワークス】
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