スポニチ

写真拡大

 ◇「豊臣兄弟!」織田信長役・小栗旬インタビュー(4)

 俳優の仲野太賀(33)が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜後8・00)は12日、第27回「本能寺の変」。天正10年(1582年)6月2日に起きた「戦国最大のミステリー」が描かれ、前半最大のクライマックスを迎える。俳優の小栗旬(43)が3年ぶり10回目の大河出演で今なお人々を惹きつけてやまない戦国武将・織田信長役に挑み、人間味あふれる新たな信長像を創出。初回(1月4日)から唯一無二の存在感で作品を牽引してきた小栗に、撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 NHK連続テレビ小説「おちょやん」などの八津弘幸氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ通算65作目。“天下一の補佐役”豊臣秀長を主人公に、豊臣兄弟の絆と奇跡の下克上を描く。兄・豊臣秀吉役は俳優の池松壮亮が演じる。

 小栗の大河出演は、鎌倉幕府2代執権・北条義時役で初主演を務めた2022年「鎌倉殿の13人」、高僧・南光坊天海に扮した23年「どうする家康」に続き、ここ5年で3回とハイペース。節目の10回目を数え、大河ファンの心をわしづかみにし続けている。

 数多の名優が演じてきた織田信長。今作は「天下一統を狙う孤高のカリスマ」というキャラクター設定で「豊臣兄弟と織田兄妹の対比、信長の孤独を描くのが、この作品ならではの視点」「信長の心に踏み込めるのは市(宮崎あおい)だけ」(制作統括・松川博敬チーフ・プロデューサー)と敢えて正室・濃姫(帰蝶)は登場させず。リーダーとしての威厳は当然のことながら、弟・織田信勝(中沢元紀)討ちのトラウマに苛まれる姿も。小栗が血の通った信長像を体現している。

 昨年10月19日には「第71回名古屋まつり」(名古屋市)の「名古屋まつり行列」に今作の特別隊として参加。仲野とともにオープンカーに乗り込み、人生初のパレードを体験した。

 「スポーツで優勝したチームやオリンピック選手しかできないものだと思っていたので、本当に貴重な経験をさせていただきました。あんなに多く人の顔を見ることも、一生に一度でしょうね(笑)。太賀くんともそう話していましたが、完全にスターになった気がしました」

 来名の際には、必ずと言っていいほど熱田神宮(同市)を訪れるといい「好きなんですよね。桶狭間の戦いの前に信長が戦勝を祈願したということで、より思い入れが強くなりました」と振り返った。

 信長役は、戦国時代にタイムスリップした高校生・サブロー(信長)を主人公としたフジテレビ“月9”「信長協奏曲」(2014年1月期)の映画版(16年1月公開)以来10年ぶり。「織田信長という役は一度、しっかり演じてみたかったので。以前はちょっとフェイクでしたから(笑)、その夢が叶ってよかったなと思います」と冗談めかしながら語った。

 「鎌倉殿」完走のキャリアが今回の信長役に作用した点は?の質問には「逆の作用といいますか、不思議なもので、人間というものは忘れる生き物なんだな、と。4年前に(約1年5カ月にわたった『鎌倉殿』の撮影が)めちゃくちゃ大変だったのに、それを忘れて今回も10カ月ぐらい参加していて。もし時が戻るなら、自分に“おまえ、あの時も感じていたじゃん!やっぱり大河ドラマはしんどいんだよ”と教えてあげたいです(笑)。今回、あらためて大変さが身に染みたので、できることなら今後は2〜3カ月の役で呼んでいただきたいなと思いましたね(笑)」とユーモア交じりに明かした。

 「大河ドラマの面白さの一つは、馴染みのスタッフさんがどんどん増えていくこと。“おかえり”という感じで迎えてくださるので、今回もうれしくて仕方なかったですし、あらためて素敵な場所だと実感しました」。今回は、松永久秀役の俳優・竹中直人との30年ぶりの共演も実現。竹中は1996年の大河「秀吉」に主演。小栗が佐吉(石田三成の幼少期)役を演じて以来の邂逅となった。

 「『鎌倉殿』で大河の主演を勤めさせていただいた経験が、確実に自分の血肉となって、特に時代劇のお芝居に表れているんじゃないでしょうか。今回の『豊臣兄弟!』の経験値もまた、自分を俳優として逞しくしてくれたと思います」

 短期間参加の役と言わず“ミスター大河”の11回目の登場が待ち遠しい。

 =インタビューおわり=