欧米の免税撤廃で転換期を迎える中国越境EC、「少額小包」モデルからの脱却急ぐ
米国は昨年、少額小包の関税免除措置を撤廃しました。EUも7月1日以降、150ユーロ(約2万7660円)以下の小包に対する関税免除を廃止します。これを受け、中国の越境ECプラットフォームや生産者は対応を急いでおり、業界内では「少額小包」の時代が終わるかもしれないとの声も上がっています。
中国商務部によりますと、2024年上半期には「毎日約900万個の小包が世界を行き交っている」状態でした。各越境ECプラットフォームを通じて、スマホケースなど、日本円でわずか数百円の小物が中国の工場から世界の消費者へ直接届けられてきました。今後、関税免除がなくなることで中低価格帯商品の海外販売コストは大幅に跳ね上がり、業界構造の変化が予想されます。
アリエクスプレス(AliExpress)のブランド海外展開担当責任者である楊逸氏は、6月に広州市で開かれたイベントで、今後は現地化(ローカライズ)、ブランド化、AI化が3つの大きな方向性になると指摘しました。
具体的には、EC各社は中国ブランドと連携して海外倉庫への在庫の前倒し配置を加速させるとともに、より付加価値の高い商品の販売を図っています。アリエクスプレスはすでに27カ国に海外倉庫を設け、2000の中国ブランドの海外展開規模を倍増させる計画です。 
生産側でも、「中山照明工場越境現物連盟」のような民間貿易組織が発足し、地元工場向けに海外倉庫での在庫販売ルートを構築しています。コスメ業界では関税の影響を和らげるため、欧米から新興国へとターゲットを広げ、市場の多様化を模索しています。
また、AIは新たなコスト削減手段として注目されています。中国の複数の越境ECでは、商品の出品、翻訳、顧客対応、通関手続きなどにAIが導入され、運営・人件費を大幅に引き下げています。個人出品者もAIを活用し、従来は複数人を要した運営モデルの構築を積極的に進めています。
広東省ネットビジネス協会の専門家は、欧米の免税撤廃が連鎖反応を呼び、ブラジルやベトナムなど多くの国・地域でも関連規制が厳格化していると指摘しています。これにより中国商品の海外展開の構図はさらに変化し、今後はより厳しい試練を迎える見通しです。(提供/CGTN Japanese)

