名古屋場所の新番付を手にする義ノ富士と伊勢ケ浜親方(右)(カメラ・越川 亙)

写真拡大

 日本相撲協会は29日、大相撲名古屋場所(7月12日初日、IGアリーナ)の新番付を発表した。義ノ富士(25)=伊勢ケ浜=が新小結に昇進。熊本出身では2017年初場所の正代以来で戦後9人目となった。先場所優勝の若隆景(31)=荒汐=は5場所ぶりに関脇へ返り咲き、4関脇は24年秋場所以来。日大出身の一意(かずま、24)=木瀬=と、中国・内モンゴル自治区出身の大青山(26)=荒汐=が新入幕を果たした。

 義ノ富士の視線はさらに上を見据えていた。名古屋市内の伊勢ケ浜部屋宿舎での会見。番付表を真剣な表情で見つめ「少しだけ自分の名前の文字が大きくなっていたので、三役に上がったんだなという実感がやっと湧いてきた」。昇進の喜びをかみしめ、新小結の名古屋場所へ「まずは勝ち越し、2桁。先場所届かなかった優勝を目指して頑張りたい」と力強く決意した。

 昨年の名古屋場所で新入幕を果たし、所要6場所で新三役となった。3月の春場所は7勝8敗で初土俵から12場所目で初の負け越しを喫したが、悔しさを糧に東前頭2枚目の先場所は優勝争いに絡んで11勝4敗。「負け越したり、上位であまり勝てない場所もあったけど、順調に来たのかなと思う」。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)も「勢いではなく、地力をつけて徐々に上がってきている。上がってきた時の稽古量、気持ちを忘れずにいけば、次の番付もそう遠くはない」と期待を寄せた。

 小結で目標の2桁白星を達成すれば次の番付となる関脇、さらには大関昇進の道も開けてくる。「三役に上がったら次も見えてくるので、どんどん白星を重ねて、次の場所にその白星を生かせるようにしていきたい」。大関昇進目安は「三役で3場所33勝」。熊本県出身で9年ぶりの新小結で臨む名古屋場所、秋場所と10勝以上を積み重ねれば、ご当地の九州場所で大関取りに挑める可能性もあり、「それを目標に頑張っていきたい」と意欲を示した。

 パリ公演から帰国後に首を痛めたことは不安材料だが、新たな環境が追い風となりそうだ。名古屋の部屋宿舎が今年から移転。昨年まで屋外だった稽古場は屋内に2面設けられ、冷房も完備された。例年、酷暑の名古屋場所とあって「快適で全然違う。環境も変わって結果を出さないといけない」。今月25日に25歳を迎えたホープは、気合をみなぎらせた。(林 直史)