NHK『あさイチ』で「年金世代のハローワーク」特集。72歳YouTuber・ロコリさん。年金+マクドナルドバイト代の月8万で暮らす「お金を得るためYouTube配信を始めて。動画の収益は今は貯金に」
2026年6月29日放送のNHK『あさイチ』は「年金世代の〈ハローワーク〉」特集。年金世代の働き方を大解剖します。そこで、69歳からマクドナルドでアルバイトを始めたというロコリさんに、年金生活の中働くことについて聞いた、『婦人公論』2024年1月号の記事を再配信します。*****69歳からマクドナルドでアルバイトを始め、71歳でユーチューバーとしてデビューしたロコリさん。月8万円で、おしゃれも外食も諦めないと言います(構成=福永妙子 撮影=吉田弦矢)
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「若い人のいる職場」で働きたい
10年間介護した認知症の母を3年前に見送り、北九州の実家でひとり暮らしをしています。そんな72歳の年金生活者である私の、大まかな毎月の収支をご紹介しましょう。
年金が5万円。マクドナルドのアルバイト代が約3万円。最初の頃は6時間×週5日で入っていましたが、かなり疲れるので、現在は土日のシフトです。
この計8万円にユーチューブの収益が加わります。ユーチューブは閲覧数などによって収益が変動し、だいたい月額数万円くらい。一番いい時には2桁台になったことも。
支出は食費が2万5000円くらい。その他、光熱費、保険、通信費など諸々ありますが、基本の収入8万円で何とかやりくりし、ユーチューブの収益は貯金に回すようにしています。
マクドナルドのバイトやユーチューブを始めるまでは、年金だけの生活でした。販売員として勤めていた百貨店が閉店し、無職となったからです。
実家は築50年の古い日本家屋。持ち家で家賃がかからないのは助かりますが、それでも5万円の年金だけで生活するのは厳しい。不足分を補う貯金もほぼないとなれば、働いて収入を得るしかありません。

マクドナルドでは、配膳と清掃の仕事を担当(写真提供◎『72歳、好きな服で心が弾む、ひとり暮らし』(KADOKAWA、林ひろし撮影)より)
けれど、働きたくとも、この年齢だとそうそう仕事は見つからない。そんな時に目にしたのが、近所に新しくオープンしたマクドナルドの求人募集でした。その店は、三方が窓で気の巡りもよさそう。若い人とも一緒に働けます。
それまでの職場はシニア世代が多く、雑談の内容は病気や介護の話ばかり(笑)。次に仕事をするなら、若い人たちのいる職場で働きたいと思っていました。
働いてみると、大学生などが多く、若いエネルギーをお裾分けしてもらっている気分。新しい情報も得られます。当初の目的は「お金を稼ぐこと」でしたが、気分転換、チームで働く喜びなど、たくさんのプラスアルファがありました。
ユーチューブを始めたのも、そもそもはお金を得るため。ユーチューブは、自分のチャンネルを作ったうえで、条件(ロコリさんが始めた当時はチャンネル登録者数が1000人以上、直近12ヵ月の動画の総再生時間が4000時間以上など)をクリアしなければ収益化できません。
シニア世代が配信するチャンネルを調べると、動画の合間に広告が入っていることから、収益化できている人が多い。昔からパソコンでブログを書くなど、もともとデジタル好きな私は、「よし、これだ」と。
小さい頃からファッションが好きで、洋服に関わる仕事をしてきました。自分が得意とする、プチプラファッション=安い洋服でも楽しめるコーディネイトを紹介するのはどうだろう?
とはいえ、動画制作はド素人です。そこで、初心者向けのハウツー動画を繰り返し見て、撮影から編集まで、すべてひとりでこなす方法を勉強しました。と同時に、いろいろなユーチューバーさんのチャンネルをチェック。どんな時に再生回数が伸びるか、何をすれば視聴者数が増えるかも研究しました。
そうして2022年8月にチャンネル開設。予想以上にたくさんの方が見てくださって、1ヵ月後、2本目の投稿から収益につなげることができたのです。

DIYで整えた動画撮影用の部屋。お気に入りの椅子はメルカリで購入
動画の撮影部屋は古い和室をDIY
収入は少し増えたものの、余裕があるわけではありません。ですからお話しした通り、支出は月8万円以内に抑えるようにしています。
たとえば食費。もともと私は料理が得意ではなく、母亡き後は手の込んだものは作っていません。魚の煮付けなどが食べたくなれば、惣菜が安くなる時間を狙ってスーパーへ。また月に一度、友人の車に乗せてもらい、価格の安い道の駅に買い出しに行きます。
食べることで私が大事にしているのは器です。趣味で陶芸をしている友人が作品を作るたびに譲ってくれるので、重宝しています。ほら、手作りのぬくもりがあるでしょう? 普通のお惣菜もお気に入りの皿に盛れば、素敵な一品に。食卓が華やぎ、気分も上がります。

食事をする時は友人作の食器で
食費でお金がかかるとすれば外食でしょうか。ひとり暮らしの友だちと電話で「晩ごはん作った?」「まだ」「じゃあ、行か〜ん?」などと誘い合って、一緒に食事。そういうことが月に2、3度あります。
外食といっても、回るお寿司屋さんだとか、お高くないところですよ。気心の知れた相手とおしゃべりしながら食事をするのは、かけがえのない時間です。
住まいも、お金をかけないで、居心地のいい空間をつくることを心がけています。
たとえば、廊下の手すりにかかっている花入れは、若い頃、パリのルイ・ヴィトン本店で買ったバッグ。押し入れにしまい込んでカビだらけになっていたのを見つけ、思い切ってハンドルとファスナー部分をカットしました。そこに100均のグリーンを投げ入れると、味わいのあるディスプレイに。
ユーチューブ撮影用の部屋は、古い和室をDIYでリフォームしました。自分で床や壁紙を張り替えたので、出費は材料の実費だけです。
ダイニングの大きなテーブルと、それぞれにデザインが異なる4脚の椅子、そしてユーチューブの撮影に使っている部屋の椅子などはメルカリで購入。
ネットでの買い物は不安という人もいますが、上手に活用すれば、低価格で自分好みのものを見つけられ、大いに助かります。
<後編につづく>

