T―岡田氏 昨年より一段レベルアップした阪神・佐藤輝明の「準備」 残りのシーズンも楽しみでしかない
◇交流戦 阪神2―3オリックス(2026年6月14日 京セラD大阪)
【T―岡田 視点】最後はオリックス・山中のサヨナラ打で決着。ドリスの150キロ超の高めツーシームに力負けしなかった。打った瞬間は正直、外野フライかと思ったが、山中はトップを大きくも深くも取らないが、インパクトに力を集中させられているので逆方向でも打球は伸びる。コンタクトする技術も高く、簡単には三振しないし、この試合では打順は3番だったが2番でも、もしくは6番、7番あたりでも面白い。何番にいても相手バッテリーから嫌がられる存在になれる。
2年目の山中だけではない。延長10回は3年目の横山聖が先頭打者で右前打してチャンスメーク。0―1の4回2死一、三塁からは4年目の杉沢が同点の右前適時打を放った。負傷者が多くチームは苦しいが、若い選手たちがチャンスをつかみ取ろうと競いあっている。レギュラー組が戻ってきても、1枠でも2枠でも奪い取ってほしい。
阪神は、森下と佐藤輝の長打力のある2人が並んでいるのはやっぱり脅威。森下は5回2死二塁で九里の内角シュートを左翼線に適時二塁打したが、チェンジアップ、スライダーと続いた2球目まで手を出さず、シュートを待っていたと思う。左肘をうまくたたみ、強い打球をヒットゾーンに打ち返していた。9回1死での中前打も、マチャドの初球150キロ超の速球を一発で仕留めている。「読み」と「準備」はさすがだと感じた。
佐藤輝も試合前の打撃練習から見たが、ひと振り、ひと振りの意識の高さに感心した。体をこう動かせば、こうバットが出て、こういう打球を打てる…と確認していた。打撃3冠部門の高い数字は決して偶然ではなく、「準備」の部分で昨年より一段レベルアップしていた。残りのシーズンも楽しみでしかない。 (本紙評論家)

