「安いから買っておこう」「いつか使うかもしれない」そんな理由で、ついものを増やしていませんか? でも、その“とりあえず取っておく”習慣が、家の中の散らかりやムダな出費につながっていることもあります。今回は、片付けのプロでありファイナンシャルプランナーの下村志保美さんに、ものもお金もムダにしないコツを教えてもらいました。

「いつか使う」が、ものを増やす原因に

片付けのお手伝いに伺うと、この言葉とともにものを手放せない方によく出会います。

【写真】似たようなデニムの山…

「なにかの役に立つかもしれない」

「捨てて、あとで必要になったら困る」

その気持ちはよくわかります。捨てて買い直すのは、損をしたような気がしますよね。大切なものを粗末にしたくない、という思いも大切な考え方です。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。「いつか」は本当にいつ来るのでしょうか…?

片付けをしていると、何年も前に「いつか使おう」と取っておいたものが、一度も使われないまま出てくることがよくあります。箱から出していない食器、もらったままのギフトセット、サイズが変わって着られなくなった服…。

「いつか」を待ち続けているうちに、そのものの出番は永遠に来なかった、ということは珍しくないのです。

「安いから買う」が家の中を圧迫していく

この“いつか使う”思考が厄介なのは、片づけだけでなく、買い物の場面でも同じように働いてしまうことです。

「安いから」

「どうせ使うものだから」

そんな理由で買ったものが、気づけば“いつか使うもの”として、家の中に積み重なっていきます。

“おトクなまとめ買い”がムダになることも

実際に、こんなことがありました。あるお客様のお宅で、トイレ用の洗剤が何十本も出てきたのです。

トイレは2つ。毎日掃除に使ったとしても、すべて使いきるには数年、場合によっては10年以上かかるかもしれません。

10年以上経ったとき、その洗剤の品質はどうなっているでしょうか。もしかしたら、もっと性能のいい商品が出ているかもしれません。「おトクに買ったつもり」が、結果的にムダになっている。そんなことは、じつは少なくないのです。

「どうせ使うものだから、今買っておこう」

「安いときに買ったほうがおトク」

そうやって、本来はまだ必要ではないものまで家に入れてしまう。そして、使いきる前にまた次を買いたしてしまう…。

だから家のものが減らない、むしろ増えていくのです。

さらに、ストックがたくさんあると「まだあるから」と使い方が雑になり、消費量まで増えてしまうことも。これでは節約どころか、余計にお金を使っている状態です。

「コンビニで買うのは高い」とよく言われます。たしかにそのとおりです。でも、安くても使いきれない量を買っていたとしたら、どちらが本当のムダでしょうか。

洗剤がきれたときにコンビニで1本買うことより、何十本もの洗剤を長年保管し続ける方が、家のスペースもお金も使っています。これは食品やおやつのまとめ買いも同じ。気づけば賞味期限がきれていた…という経験がある人も多いのではないでしょうか?

もちろん、災害に備えて最低限のストックをしておくことは必要です。ただ、基本の考え方はとてもシンプルでいいのです。

「今使う?」で考えると、家もお金もラクになる

必要なときに、必要なものを買う。「安いから買う」ではなく、「今、使うか」で判断する。それだけで、家の中に入ってくるものの量は確実に変わります。

50代は、これからの人生を軽くしていくタイミング。未来のために抱え込むのではなく、今の自分に必要なものだけをもつ。

それだけで、お金も、家の中も、流れが大きく変わっていきます。