記事のポイント KATSEYEを起用したデニムキャンペーンが話題を呼び、わずか3日で2000万回再生を突破した。 オールドネイビーとギャップの売上は堅調で、デニムの好調がブランド成長の原動力になっている。 一方でアスレタは苦戦が続き、4ブランドを抱えるギャップは依然として再成長への課題を抱えている。
ギャップ(Gap) は、自社ブランドの成長を持続させるための「プレイブック」を固めつつあるようだ。CEOリチャード・ディクソン氏によれば、そのプレイブックとは「トレンドに合った商品を、より魅力的なストーリーテリングで増幅させ、ブランドを文化的な会話の一部にすること」にある。その証拠となったのが、グローバルガールグループ「KATSEYE(キャッツアイ)」を起用した最新キャンペーンだ。ギャップの新キャンペーン「ベター・イン・デニム(Better in Denim)」では、KATSEYEのメンバーが2003年に発表されたケリスのヒット曲「ミルクシェイク(Milkshake)」に合わせて踊り、ローライズジーンズの復活を祝っている。ディクソン氏は8月29日の第2四半期決算説明会で、このキャンペーンが公開から3日で2000万回再生を記録し、「過去4本のキャンペーン動画の合計再生数を上回った」と語った。また、初期の評価として「おそらくもっとも象徴的なブランドキャンペーンのひとつになる可能性がある」とも述べた。

ガールズグループKATSEYEを起用したキャンペーン「Better in Denim」

オールドネイビーとギャップの好調が支える

こうした取り組みの結果、厳しい小売環境にもかかわらず、ギャップは堅調な業績を維持している。第2四半期の純売上高は前年と横ばいだったものの、最大ブランドであるオールドネイビー(Old Navy)の既存店売上は2%増加。主力のギャップブランドも前年同期比4%増で、7四半期連続の成長を記録した。バナナ・リパブリック(Banana Republic)も4%増と伸びを示した。ディクソン氏はこれらを「戦略が機能している証拠」と強調した。一方で、アクティブウェアブランドのアスレタ(Athleta)は依然苦戦しており、第2四半期の既存店売上は前年同期比9%減だった。

財務改革とマーケティング刷新

ディクソン氏は、固定費構造の見直しやメディアミックスモデルの刷新など、財務面での取り組みも説明した。しかし、既存店売上の成長やカルチャー的な話題性を支えているのは、商品とマーケティングの刷新だ。デニムは特に好調だ。オールドネイビーのデニム事業は、第2四半期として過去10年で最高の販売量を記録したという。店舗内で「デニムショップ」を設け、バギーやワイドレッグなどトレンド感のあるシルエットを前面に押し出したことが奏功した。ディクソン氏は「勢いは第3四半期にも続いており、バック・トゥ・スクール需要でも好調だ」と語った。同様に、ギャップも「デニムを戦略的に追求することでブランドをけん引している」とディクソン氏は説明した。バギー、ホースシュー、バレル、イージープルオンといったトレンド性の高いスタイルが売上を伸ばしているという。

顧客に「着こなし方のガイド」を提供

コンシューマー・コレクティブ(Consumer Collective)共同創業者のジェシカ・ラミレス氏は、ギャップとオールドネイビーがオンラインでのマーチャンダイジングを改善している点を評価した。特に動画を使い、アイテムの組み合わせ方を提案するようになったことが有効だと指摘する。「多くのブランドには『女性は自分で着こなし方を知っている』という前提がある。しかし実際には、顧客はより多くのガイドを求めている」とラミレス氏は述べ、「コーディネート提案があることで、その服を着たときのイメージを描きやすくなる」と語った。ただし、店舗におけるマーチャンダイジング改善の余地はまだ大きいとした。

成長と課題の両立

ギャップは4ブランドを抱えるゆえ、投資家にさらなる成長を示すには難題も多い。第3四半期の売上は1.5〜2.5%増を予想しているが、環境は依然として厳しい。それでもディクソン氏は、ブランド基盤の強化に自信を見せた。「我々のプレイブックは成果を上げ続けている。ブランドの土台を強化し、より存在感を発揮できることを証明している」と語った。[原文:Gap’s Katseye campaign generated 20 million views in 3 days as denim drives its turnaround] Anna Hensel(翻訳・編集:戸田美子)Image via Gap/YouTube