動画「美しいものは注意力を奪う。しかし宇宙のすべてに意味がある。」の中で、脳科学者・茂木健一郎さんが、美しいアート作品と私たちの視点について独自の見解を語った。

茂木さんは「僕、美しいものっていうのはね、いいと思うんですよ。例えばアート作品なんかもね、美しいアート作品を見ると心が豊かになりますよね」と語り、アート鑑賞がもたらす心の豊かさを肯定。一方で、「アート作品を見た後に、普通に街を歩いていると、街を歩いていること自体で目に入ってくる、ごく平凡なものたちが愛おしい、奇跡だと思うんですよね、そういうものがあることは」と、特別なものだけでなく、日常の風景そのものにも価値を見いだしていることを明かす。

また、「特別なものとか美しいものっていうのがあって、それに目を捉えるんじゃなくて、全体を見るっていうテーマなんですね」と述べ、旅先でも名所旧跡にはあまり固執せず、その土地の“ごく当たり前の風景”を味わうランニング「旅ラン」に話を広げる。美術館やアート作品の価値にも触れ「アート作品の問題点って、それ以外を見なくなっちゃうことのような気がする」と問題提起。「モナリザがあったらみんなモナリザの方を見てるけど、本当はモナリザを見ている人たちの方が興味深いのかもしれないしね」と、ユニークな視点も披露した。

それでもアート鑑賞の意味を否定するわけではなく、「その作品を見ることで、そこから世界を見る考え方、感じ方が変わるっていうのが、一番やっぱり僕はアート作品の素晴らしいところなのかな」と強調。注意が一時的に作品に集中しても、その後の人生や世界の見方が広がるのであれば「それはちょうど山で修行した人が置いてきた後に、その普通の人生の中で本当のその修行の意味がわかってくっていうのと同じように価値がある」と自身の結論を示した。

最後に茂木さんは、「美しいものが注意を奪うことには意味がある。しかし、宇宙のすべてに価値や意味があることを忘れないでいたい」と締めくくった。

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