鹿児島を率いる相馬監督。J3優勝でJ2復帰を目ざす。(C)KAGOSHIMA UNITED FC

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 J3の中断期間前に行なわれた第22節。トップ3はヴァンラーレ八戸、FC大阪、栃木シティが争う構図となっている。

 一方で、昨季はJ2で19位に沈み、J3降格を強いられた鹿児島ユナイテッドFCは、昇格プレーオフ圏内をキープ。昨季末に実績ある藤本憲明(→岩手)、鈴木翔大(→秋田)、野嶽寛也(→山形)らがチームを去り、藤嶋栄介、田中稔也、河村慶人、近藤慶一らが加入。指揮官は浅野哲也監督が退任し、相馬直樹監督兼GMが新たに就任し、チームを率いている。

 シーズン折り返しの19節時点で5位につけ、その19節の栃木SC戦で勝利してから、アスルクラロ沼津に0−0、FC大阪に2−1と3戦無敗。右肩上がりの状態で、7月26日に同じ降格組のザスパ群馬とのアウェー戦に挑んだのだ。

「前節の我々はホームでラストプレーで勝ち切ったので、その勢いを持って入ったはずだったが、もったいない入りをしてしまった」と指揮官が反省の弁を口にする。鹿児島は開始早々の6分に左CKから失点。いきなりビハインドを背負うことになった。

 それでも、10分に左MF圓道将良が同点弾をゲット。瞬く間に試合を振り出しに戻す。そこからは相手にボールを握られながらも粘り強く守り、前半終了間際の44分に田中が逆転ゴールを奪う。

「(河村から)優しい横パスが来たので、肩の力を抜いて打てた。流れ的にも大きかったんじゃないかと思います」と本人も前向きに話したが、鹿児島は2−1で前半を終えることに成功した。

 だが、後半に入ると群馬もギアを上げ、途中出場の風間宏希が68分に見事なシュートを決め、試合は2−2と再び振り出しに戻った。
 
 そして勝負を決める得点は83分に生まれる。鹿児島はジョーカーの福田望久斗が持ち前の快足を活かしてPKを奪取。自らそれを決め、鹿児島が3−2で勝ち越しに成功。しぶとく白星をもぎ取った。

「我々は『優勝して昇格』という目標を掲げてやっている。そういうなか、22試合で勝点38の4位というのは数字的に足りていない。『1試合2ポイント』が1つのラインだと思っているので、現状ではまだまだ上を目ざさないといけないのは確かです。ただ、これまで連勝がほぼなかったので、今回連勝できたこと、それも粘り強く勝てたことは今後につながると思っています」と、相馬監督は冷静に現状を分析。中断前の連勝は今後の大きな弾みになりそうだ。

 相馬監督が現役時代に長くプレーし、指揮も執った鹿島アントラーズの出身の田中は、指揮官の「勝利への執着心」「勝者のメンタリティ」をよく理解したうえで、相馬スタイルの具現化に努めていく構えだ。

「相馬さんが求めているのは、アグレッシブなサッカー。球際や切り替えといった当たり前のところを徹底するところが第一で、そこから徐々にボールを握ることも目ざしています。僕も鹿島育ちだから分かりますけど、本当に勝ち切ることは重要だし、一人ひとりが強く意識していくべきところ。

 後半戦に入って2勝1分けの無敗で来ているのはすごくいいことですし、決め切るという課題を改善していければ、もっと上の順位に行けると思います」と、かつて町田浩樹(ホッフェンハイム)や垣田裕暉(柏)らと共闘した攻撃的MFは力を込めていた。
 
 鹿児島の最大のストロングポイントは、攻撃陣に個人能力の高い選手を揃えていることだ。この日、2トップで先発した河村と近藤は力強さを強く押し出し、しっかりと起点を作りながら得点機を演出していた。

 彼らと後半に代わったアンジェロッティと米澤令衣はそれぞれ5点、1点を取っているが、ベンチに置いておくのがもったいないくらいの迫力と鋭さが見て取れた。