『デビルズ・バス』©2024 Ulrich Seidl Filmproduktion, Heimatfilm, Coop99 Filmproduktion

写真拡大

 ヴェロニカ・フランツ監督とゼヴリン・フィアラ監督が手がけた映画『The Devil's Bath(英題)』が、『デビルズ・バス』の邦題で5月23日に公開されることが決定した。

参考:『CLOSE クロース』製作陣が再集結 大人になった少女の復讐劇『MELT メルト』7月25公開

 本作は、第88回アカデミー賞外国語映画賞のオーストリア代表作品に選出された映画『グッドナイト・マミー』(2014年)で知られるフランツとフィアラが手がけたホラー映画。第74回ベルリン国際映画祭では銀熊賞(芸術貢献賞)を、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭では最優秀作品賞を受賞した。

 18世紀半ばオーストリア北部の小さな村。古くからの伝統が残る村に嫁いだアグネスは、夫の育った世界とその住人達に馴染めず憂鬱な生活を送っていた。この世から消え去ってしまいたいと願うアグネスだが、宗教上自死することも許されず、やがて驚くべき行動に出る。

映画『デビルズ・バス』予告編 あわせて公開された予告編は、女性が赤ん坊を滝の上から投げ落とす衝撃映像から始まる。続いて描かれるのは、閉鎖的な小さな村に嫁ぎ、精神的に追い詰められていくアグネスの姿。村に馴染もうと努める彼女に対し、周囲は子供を授かることを強く望み、その重圧が心を蝕んでいく。やがてアグネスは、暴力を受ける村人や首を失った死体を目撃し、村に根づく不穏な習慣を肌で感じ取るようになる。次第に現実と幻想の境界が曖昧になり、錯乱状態に陥ったアグネス。しかし、信心深い村人たちは、彼女を“悪魔に憑かれた存在”として忌み嫌い、救いの手を差し伸べようとはしない。自らの死を覚悟し、髪を毟り取るアグネス。その後、映像は次第に現実と悪夢のあわいを漂い始める。血に染まる川。袋をかぶり斬首を待つ人影。狂乱する村人たちと、刺されそうになる子供。そして、顔が溶け落ちる赤ん坊。狂っているのは、村か、アグネス自身か。

 キービジュアルでは、動物の死体が異様に祭られた小屋の前に、静かに横たわるアグネスの姿が切り取られている。穏やかに眠っているかのようにも見える彼女とは対照的に、小屋を取り巻く空気は不気味に歪み、アグネスが生きる村のいびつさ、そして彼女自身との、決して埋まらない深い断絶が浮かび上がる。さらに、『私が、壊れていく。』というコピーが添えられている(文=リアルサウンド編集部)