松本若菜

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 夏ドラマもいよいよ終盤に入った。視聴率No.1はTBSの日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」で決まりだが、ここへ来て追い上げを見せているのが、同じくTBSの火曜ドラマ「西園寺さんは家事をしない」だという。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)

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 松本若菜(40)演じる西園寺は、仕事はできるが家事は全くやりたくないという38歳の独身女性。マイホームを購入し、“家事ゼロの暮らし”を満喫していた。そんな中、同じ職場に転職してきたのがSixTONESの松村北斗(29)演じる楠見だった。馬の合わない2人だったが、楠見はトラブルに見舞われ4歳の娘・ルカ(倉田瑛茉)とともに住む家を失い、仕方なく“偽家族”として一緒に暮らすことに……。民放プロデューサーは言う。

松本若菜

「『西園寺さん』の視聴率は初回が7.3%でスタートし、第2話が7.2%、第3話が6.7%、第4話が5.9%と徐々に数字を落としていきました。しかし、そこから盛り返し、9月10日放送の第10話で7.0%まで上げてきました。夏ドラマの直近の数字で比べると、トップのTBS『ブラックペアン シーズン2』(9月8日・第9話=11.9%)、第2位のテレビ朝日『科捜研の女』(9月11日・第10話=8.6%)、第3位のフジテレビ『海のはじまり』(9月9日・第10話=8.1%)に次ぐ成績です」

 なぜ後半になって数字が上がりはじめたのだろう。

「“偽家族”を続けてきた西園寺さんと楠見くんですが、いよいよお互いを思う気持ちに気づいたことで、この後どうなるのかという関心があるのでしょう。なにせ40歳の松本と29歳の松村のラブストーリーですからね」

 松本は芸歴18年目にして、ゴールデン・プライム(GP)帯の連続ドラマ初主演作となった。遅咲きと言っていいだろう。

GP帯連ドラ初主演

「TBS火曜ドラマ枠の平均視聴率トップ3は、多部未華子(35)主演の20年『私の家政夫ナギサさん』(15.1%)、新垣結衣(36)主演の16年『逃げるは恥だが役に立つ』(14・6%)、綾瀬はるか(39)主演の18年『義母と娘のブルース』(14.2%)を見てもわかるように、主演は基本的に数字の取れる若手女優と決まっています。他にも、石原さとみ(37)、上白石萌音(26)、広瀬すず(26)、橋本環奈(25)、上野樹里(38)など錚々たる面々が名を連ねています。その中で今回の松本は、22年4月期の『やんごとなき一族』(フジ)で昼ドラ的いびり怪演が話題になり、ようやくGP帯初主演を掴んだ異色の存在と言っていいでしょう」

 デイリー新潮は22年6月18日配信の「『やんごとなき一族』で“怪演”の『松本若菜』 38歳の今とバイトは“週8”だったこともある下積み時代を語る」で単独インタビューを行っていた。上京して新宿のうなぎ屋でアルバイトしていた際、明石家さんまや島田紳助など吉本芸人から“伝説の美女”と言われたという噂の真相もあっけらかんと語り、性格の良さを見せていた。

「現場でのスタッフ受けもいいようです。しかも、テレビ局にとっては、まだギャラがそれほど高くないという魅力もあるでしょう。そもそも『西園寺さん』は、全体的に出演者のギャラを抑え気味のように見えます。相手役の松村にしても旧ジャニーズ事務所(現・STARTO ENTERTAINMENT)のタレントですから、ギャラについてうるさいことは言えない。そして失礼ながら、大御所と言える出演者がいません」

 ところが、最終回直前の第10話で、出演者がガラッと変わったという。

高畑淳子登場のワケ

「西園寺さんとの別居を受け入れた楠見くんが、娘のルカのためベビーシッターを探して4人と面接をしたのですが、まず登場したのがMAXのNANA(48)で『子供が好きで、近所の子供たちからは“駒込の歌のお姉さん”と呼ばれています!』と自己紹介。続いて現れたのがお笑いコンビ・NON STYLEの石田明(44)で、認定ベビーシッターはじめ調理師免許、ハウスクリーニングアドバイザー、整理収納アドバイザー、温泉健康指導士など、数々の資格をもっていることをアピールしていました。石田は第5話にも出演しましたが、『NHK紅白歌合戦』出場歌手と『M-1グランプリ2008』チャンピオンのゲスト出演にもかかわらず、出演時間はたったの24秒と17秒でした。3人目が西園寺の親友役で出演中の野呂佳代(40)で、こちらもたったの38秒。そして4人目、ラスボスとして登場したのが高畑淳子(69)でした」

 高畑といえば、今期は「新宿野戦病院」(フジ)に経理担当の白木さんとして出演していた。

「まさかのダブルキャストです。SNSでは《 白木じゃん! 前職病院の経理というのかと思ったよ笑笑》《白木さん新宿の病院からやって来た?》などと盛り上がっていました。テキパキとしていてズケズケと発言する白木さんとは違い、彼女の前職は恐山で2年間、イタコの修行をしていたという、やけに暗いしゃべり方の女性を演じ分けていたのはさすがでした」

 なぜ突然、彼女が出演したのだろう?

「もちろん、最終回に向けた伏線はあるのでしょうが、テレビマンとしての見立ては予算が余ったから。いわば最終回前のバーゲンセールです」

 年度末の道路工事じゃあるまいし。

「同じことがドラマの世界でもあるんですよ。制作費を使い切らないと、次期予算に響くんです。『この金額で大丈夫ですね』と、予算を下げられてしまうんです。高畑の役どころは、蒸発した西園寺さんの母親役だと思いますが、何も他局に出演中の彼女じゃなくてもいい。話題づくりにMAXのNANAや高畑を出せたのは、予算が余ったからだと思います」

 次はいよいよ最終回だ。はたして、西園寺さんと楠見君はどうなるのか、飛び道具は他にも用意されているのだろうか。

デイリー新潮編集部