年間配当金240万…! 新NISAを活用し稼ぐ配当株投資「鉄板の銘柄組み合わせパターン」大公開!

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「毎年、10〜15%配当が増加するペースを目指して投資すれば、最終的には年間240万円の配当金を得続けることは十分に現実的です。私はこれを配当株投資の理想郷と考えています」

こう語るのは個人投資家でXフォロワー15万人超えの配当太郎氏。彼は近著『年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)で、自身の成功体験を元に、初心者必見の戦略を公開している。配当太郎氏は「まず注目してほしいのは、今年から導入された新NISA制度です」と言う。(「」内のコメントはすべて配当太郎氏)

「旧NISA枠で購入した株には期限があり、非課税の恩恵は5年が一つのゴールでした。でも新NISAの成長投資枠は無期限になったので、配当金への約20%の税金の免除も含め、企業が稼いで増配する限り恩恵を受け続けられる。また年間投資枠も120万円から、240万円に増えています。毎年240万円を投資に回せるかどうかは置いておいて、生涯で240万円×5年=1200万円の非課税投資枠を得られるのが大きいです」

つまりNISAの枠内であれば、配当金が無期限で非課税となったため、長期での配当株投資をするのに有利な環境となったというのだ。

資産家でなくても配当株投資はできる

配当とは企業が通期、または半期ごとに利益分配するお金のことだ。その額は各企業の純利益、つまり稼ぎや、そこからどれくらい株主還元する方針なのかによって、それぞれ異なる。また企業が純利益に対して、何%配当を支払うかを配当性向という。

しかし、昨今の日経平均採用銘柄の配当利回りが、平均で2%以下なので、優良銘柄を厳選しても3%〜4%ほどだろう。そうなると240万円の配当金を得るためには、投資資金が8000万円ほど必要になるが……。そんなことは資産家にしか無理なのでは?

「いいえ、可能です。なぜなら盤石な企業は増配していくからです。1200万円を投資すると、配当利回りが3%だとして、配当金は36万円になります。毎年7%の増配が起きれば、10年後には計算上72万円になっている。そこからは、年間100万円はあっという間に見えてくるはずです。

増配効果は見落とされがちですが、最も強力な成長エンジンとなります。例を出すと三菱UFJフィナンシャル・グループは、前々期配当は31円、前期41円と3割増、今期は9円増えて50円。2割以上の増配を実現しています。

また、一株配が増加し、配当利回りが上昇すれば、市場に割安に映り、市場原理が働くことによって、株価は上がる傾向になる。結果、配当金も資産も増えていくのです。はじめは自己資金に力を入れて、追加で株を買い増すほうが、増配の恩恵をより早く受けられる。そして受け取った配当金を再投資する。そうすることで、より早く目標へ近づくことができます」

最終的に配当金だけで余裕が出てくるポートフォリオを目指すため、配当太郎氏は年次10〜15%の幅で、長期的に年間配当金を増やしていく目標を提唱している。投資先はどう絞り込めばいいのだろうか?

「基本的には、稼ぐ力がある企業かどうかが大事です。私はリーマンショックで痛い経験をした。だから、その後の厳しい円高や世界経済の低迷の最中でも稼いでいた企業に投資しました。具体的には金融、損保、通信という市況に左右されづらい業界や、商社のような強固な基盤の業界です。

その企業に何かあったら、もはや諦めるしかないレベルの業界トップクラスに投資したいという思いがあります。つまり時価総額が1兆円を超える有名企業です。そこから視野を広げて、過去の一株利益や、配当金の伸びをみて投資していくスタイルです。今でも主力銘柄の株数を増やしていて軸はぶれていません」

具体的な銘柄のおススメとして、一つのモデルケースを伝授してくれた。

「私が四天王と呼んでいる年間配当金12万円を実現するモデルを紹介します。三菱商事、三菱UFJフィナンシャル・グループ、東京海上ホールディングス、KDDIです。

それぞれ業界としても手堅いし、利益、配当金ともに、持続可能に伸び続けている。一気に投資できる人はすればいいし、まずは100万円くらいを分散して年間配当金3万円を目指してもいいでしょう。無理ないペースで3〜4年かけて、毎年100万円くらい投資し、お金がお金を産む地盤を作れればいいですね。

自分が信頼した企業に投資することが大事なので、守備範囲を超えて何銘柄も投資し、チェックが疎かになるのはよくないです。主力は片手から両手くらいの数とし、業界に詳しくなることが、将来の財産になります」

コロナ禍でも主力株はノーダメージだった

これはあくまで指針であり、自分の戦略や予算に応じて組み替えてほしいとのことだ。では、お目当ての銘柄を買付するにしても、株価水準はどう判断するべきなのか?

「配当株投資をしようという方は、配当利回りをまず気にするでしょう。ここ一年ほどで、配当株投資がメジャーになり、企業側も積極的に還元姿勢を見せていることで、先回りの買いが入って、利回りは切り下がってきています。優良企業なら3%前後が割高でも割安でもない一つの基準になると思います。超えていれば、人気がないから放置されているとか、逆に下回っていると将来の業績期待で買われていると、株価の過熱感を測れます」

単純に高配当ランキング上位を選べば良いわけではないので注意が必要だ。利益が伸びていなくても高配当な企業もあるからだ。そういった企業は将来、業績不振で、株価下落、減配、無配のリスクがあるのだという。

「優良企業でも過度に高配当になっている場合や、配当利回りの高さだけで企業を選ぶことを避ければ、数期連続の減配、無配など失敗を少なくすることはできる。実際、私はコロナ禍の時でも主力銘柄は問題ありませんでした。前期比で配当金が順調に増えていて、実は前年より減ったことはないんです」

だが、世界と日本の金利差による為替動向、原材料や人件費の高騰によるインフレによって、家計が厳しい昨今。日本市場だけに目を向けていていいのだろうか?

「日本で生活していれば、日本企業に最も馴染みが深いし、何かあったときのニュースもすぐに咀嚼できる。海外で稼ぐ日本企業に投資しておけば、円安の恩恵があり、為替ヘッジにもなります。例えばトヨタなどの国際企業で十分リスク回避できる。だから僕は日本株をメインにしながら、米株インデックスに広く浅く投資しています」

目標までの経験や知識を思うと困難に感じるが、最後は信じる力だと配当太郎氏は言う。

「日々の株価は気にしない。基本はお金ができたら、決めている株を買う。最低限、四半期決算短信とIR情報を気にしておけばいいです。毎日の株価の上下に振り回されて神経をすり減らすより、プライベートや仕事を大事にするほうが有意義です。

結局、企業を信じられれば、景気の荒波の中でも握り続けられます。それをゴリラ握力と呼んでいます。だから買値は過度に気にしない。連日、急騰していれば、少し間を置いたりするなど、極端に割高でないか確かめるくらいでいいと思います」

すでに盤石のポートフォリオを作り上げた配当太郎氏だが、驚くことに利益を確定させるつもりがないと言い切る。

「自分の株がどうなろうが次世代に渡すつもりです。超長期でみているからこそ、含み益を確定する予定はありません。株と不動産は増やすものと考えていて、お金を生むものを安易に売って減らす必要はないのです。とんでもない世界経済のヤバさを感じたり、自分の資産に危機が及ぶような政権が誕生したりなどがなければ、スタンスは変えないつもりです」

もはや銀行にお金を預けているだけでは、機会損失なのかもしれない。早速あなたも配当株投資で、理想郷を目指してみてはどうだろうか。

 

 

『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(配当太郎・著/クロスメディア・パブリッシング)