ウェスタン風のファッションが再びトレンドになっているのは、ビヨンセの功績によるところが大きい。超大物歌手であり、最近ヘアケアブランドを立ち上げたビヨンセは、テキサスにルーツを持つことを隠すことなく、キャリアを通じてウェスタン風のファッションにオマージュを捧げることが多かった。しかし今年はスーパーボウルのCMで新曲発表をほのめかして驚かせ、直後に公開されたカントリーソング「16 Carriages」と「Texas Hold Em’」にファンは熱狂。スーパーボウルで着用した衣装も話題を呼んだ。
カウボーイの流行はここ1年で高まっており、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)やモリー・ゴダード(Molly Goddard)といった大手ブランドが、ウェスタンに着想を得た2024年秋のコレクションを発表している。カントリー風のリバイバルに、ビヨンセ氏の『ルネッサンス』が影響を与えたのは間違いないだろう。最近の衣装を収めた動画はTikTokで話題を集めており、同氏が文化に与えた影響によってブランドには大きなチャンスが到来している。特に、創業から159年になる米アパレル企業「ステットソン(Stetson)」にとって、カントリー風の盛り上がりは新たな消費者層と需要の波をもたらした。同社のマーケティング担当バイスプレジデントであるタイラー・ソーソン氏によると、クラシックなステットソン・カウボーイハットの複数のスタイルが、今月完売した。また、ビヨンセも同ブランドのファンだという。同社は映画「バービー(Barbie)」や「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(Killers of the Flower Moon)」の衣装デザイナーとも協力し、両作品で衣装を手掛けている。「私たちの帽子を、スタイルの重要な要素として位置付けてくれるパイオニアたちの長いリストに、ビヨンセが加わってくれたことを光栄に思う」とソーソン氏はGlossyに語った。「グラミー賞以降、ソーシャルメディアでは当ブランドや商品に対し、驚くほどの関心が寄せられている。そして同氏がグラミー賞をはじめ、ここ数週間で最もよく着用していたシャスタ(Shasta)というスタイルへの関心が、急激に高まっている。ビヨンセが、全く未知の領域へと引き上げてくれた」。ソーソン氏は、売上やサイト訪問者数などの数字は明かさなかったものの、ビヨンセ氏がグラミー賞、スーパーボウル、ルアールのファッションショー、そしてバレンタインデーのデートという最近の4大イベントでステットソンの帽子を着用し、インスタグラムにも投稿していたことに言及する。「ビヨンセが私たちの帽子を被ってくれたことで、私たちのストーリーを、より幅広いスケールで伝えることができた。今はそれに焦点を当てているし、需要に応えるために全力投球している。当社の代表的なウェスタンハットの、在庫を確保しておくのは大変だった」。[原文:With her cowboycore style, Beyoncé is introducing a classic brand to young shoppers]TATIANA PILE(翻訳:田崎亮子/編集:分島翔平)